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『甘い告白』
「いや。僕は寝てるから」
返事をして目を閉じるけど、眠気は一向に訪れない。
「………夢、じゃない?」
言いながら起き上がってベッドに座って部屋を見回した。間取りは寮の部屋と同じ。角部屋ではないから窓は一つだけど。部屋の中央に置かれたセミダブルのベッドと壁際に置かれた学習机、本棚、壁面収納のクローゼット。
派手なポスターが数点貼られて、床にはスニーカーが並べて置かれていた。
「……部屋の中……ベッド」
「昨日、お前がそのまま寝たから勝手に連れて来た」
園田も横に起き上がって座った。起き上がって気が付いたけど、僕は下着とTシャツを着せられていて、園田は下着だけを着ていた。
僕に着せられているTシャツは園田の物で、下着もきっと新品だけど、僕の物じゃない。
「園田の部屋……何で、こんなとこ連れて来たんだ。そのまま起してくれたらよかったのに」
昨日、明日が休みだからと、誰にも邪魔されないからと、2回くらいした気がする……3回ではなかったと思う。
これまで1回で終わっていた。事が済んだら逃げるように離れていたから。だから、回数されて身体が驚いたのだろう。寝てしまったのか意識がなくなったのかそれは分からないけど、動かされても起きないくらいに寝入ってしまったのは僕のミス。
最近眠れない日が続いていたのも原因だとは思うけど。
「動かしても起きなかったのはお前だ」
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