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『甘い告白』
「テツがずっと好きだった」
もう一度呟く。頬を包んでいた手を園田の手が上から包むように掴んで、「過去形か?」と呟いて、僕の手を唇まで持っていく。
「アズ」
柔らかい薄い唇が喋るのに合わせて、指を擽った。
「テツが好き」
唇に触れていた手を園田が僕の顔の横に突いた。指を絡めるように繋いで、押さえ込まれた。反対の手も園田が引っ張って同じように握り込まれる。
「アズ」
唇が触れた。『チュッ』と音がして離れて、もう一度触れる。
何度も触れ合わせて、「アズ」と呼ばれる。
「………その……んっ……」
どうしてキスするのか聞きたくて、名前を呼ぶとそのまま深く口付けられた。歯列を割った熱い舌が口の中に入ってきた。濡れた音が聞こえる。ゾクリとそこから快感が生まれて、緊張が解けていく。
奥に逃げた舌を絡ませられて、吸われて、息が上がる。互いの唾液が絡んで水音が響く。
園田のその舌を追いかけて舌を絡める。
鼻から抜ける吐息に甘い声が混ざって、握り込まれた手を自らも絡めた。
熱い、甘い、優しい口付けに身体は重く、力を奪われる。
こめかみを涙が伝っていく。
唇をゆっくりと離されて、窓から入る朝日に繋がったままの銀糸が光る。
「アズが好きだ」
その囁きに閉じていた瞳を大きく見開いて言葉を失った。
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