130 / 139

『甘く、優しい』

こんなに楽で、心地いいのは初めてで口付けの合間に甘い息が零れる。素直にさせてしまう口付けに自分からも舌を絡めた。  快感に馴れた身体はもっと、もっとと園田の指に絡みつく。増やされた指に絡みつく。 「あ……園田っ……そこ……」 「テツって呼べよ」  掠れた熱い声が唇に触れたまま喋る。 「テツ……ああっ……」  指が中の弱いところを掠めると、イきかけていた自身から濁った先走りが溢れる。 「……ツ、そこ、ダメ……」  ローションで濡れた指と溢れた先走りが交じり合って、グチュグチュと音を立てる。 「っと……たまんねぇ」  園田が唇を離すと眉間に皺を寄せて呟いて、そこから指を抜くとシーツを握り締めていた手を掴まれて、反対の手と同じようにまた指を絡めて繋がれた。  口端に口付けられて、それが深く重なってくる。角度を変えて何度も。  気持ちいい。口付けがこんなに気持ちいいものだと初めて知った。甘く溶かすように優しく、熱い舌が口内を弄る。それだけで身体は重く溶かされていく。  力が抜けたところで、園田が両手を離した。  その手が両足を広げて園田がのしかかってくる。熱いそれが指で解かれたところに宛がわれると身体が震えた。 「………はっ……ああー……んっ……テツゥ」  熱いものに中を広げられる感覚は何度重ねても馴れない。  でも、名前を呼ぶのを許されている。馴れたふりをして声を我慢させられることも無い。  縋るように伸ばした手を園田が掴んでくれる。  その指を絡めて、口付けられる。指を舐めるように繋がれて、口付けて、「アズ」と呼ばれる。

ともだちにシェアしよう!