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『エピローグ』

 ついつい零れてしまう笑顔に、「梓。気持ち悪い」と一臣に注意される。 「いいでしょ別に」  そしてまた微笑む。  全校集会に向かう廊下。生徒たちでごった返した中でも、頭一つ園田は出ていて目立つ。そして、僕に片手を挙げて合図する。ゆっくりと園田の側に寄って行く。  連休の初日。園田に言われて一臣達の様子を見にいった。帰って来ると園田の姿は無く、開業医である親父が倒れて急に実家に呼び出されてしまっていた。  親父さんは大したことは無かったが、園田は今朝、僕が寮を出て登校してから帰って来たから、会うのは3日ぶりになる。  それだけなのに浮き足立ってしまうのは、恋が実ったばかりだからだろう。 「テ……園田。おかえり」 「ああ」  回りの生徒が振り返るが、構わず園田に微笑む。 「僕を一人にさせるなんて許せないね」 「梓?」  園田は少し困惑している。  だって……。 「3日間も一人寝させるなんてさ」 「……梓。どうした?」  園田の前に腰に手をあてて首を傾げて、偉そうに続ける。 「僕に寂しい思いをさせていいと思ってるの?」 「………」

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