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太陽に抱かれて
太陽に抱かれている。かけがえのない、この世で唯一無二の存在に抱かれている。そう感じた。
「ん、あっ、結城……いく」
身体が細かく震えだし、自分の意思と関わりなく、体内のものを断続的に強く締めつけ始める。喉の奥から甘い悲鳴が洩れた。
「こんなに感じて……可愛い。ね、篠宮さん……先にイッていいよ」
優しく囁きかけ、結城が奥を突き上げる。今にも達してしまいそうになりながら、篠宮は必死に声を振り絞って抵抗した。
「やっ、い……一緒に……」
「一緒にイきたいの? もうっ、なんでそんなに可愛いかな……! ただでさえヤバいのに、今ので一気にキたよ」
いったん腰を引き、結城はちゅっと音を立てて篠宮の頰にキスをした。微かに吹いた風が、青く茂った樹々の葉をざわめかせる。
「分かったよ。一緒にイこう? やりかたは解ってるよね」
結城が、再びゆっくりと腰を前後させ始める。彼の呼びかけに応えるため、篠宮は奥歯をぐっと噛み締めた。
「んっ……」
以前結城に教えてもらったとおりに、息を吐いて力を抜く。快感の逃げ道を作ることで、否応なしに追い詰められる感覚が少しだけ弱まった。
「篠宮さん、ほんと感度良すぎ。弱いとこ突かれるとすぐイッちゃうよね。篠宮さんとエッチしてると、俺って物凄い超絶テクニックの持ち主なのかもって、勘違いしちゃうよ」
意地悪な笑みを浮かべ、結城が篠宮の脚を抱え上げる。腰を押しつけて根元まで挿入されると、甘美な痺れが続けざまに腰の奥を責め苛んだ。
「ひっ、いや……あっ」
「ほら、ちゃんと力抜いて我慢して。もっと頑張らないと、俺と一緒にイけないよ?」
「あっ、そんな、ああっ……いやっ、は……んんっ」
遠慮なく奥を穿たれる快感に、甘い喘ぎを抑えることができない。こんなに声を出したのは初めてだった。絶対に誰にも聞かれていないという安心感が、いつもより大胆にさせたのかもしれない。
「エッチな声止まんないじゃん……もうちょっと焦らそうと思ったけど、そんな声聞かされたら我慢できないよ」
「あっ……我慢、するな……や、もっ、いく……んっ」
煽るように甘い声をあげ、肩にしがみつく。たまらずに腰を浮かせて前後に揺らすと、結城が切羽詰まった声を出した。
「ああ、俺もイキそ……! ね、中に出していい?」
「いやっ、あ、駄目っ」
その言葉とは裏腹に、篠宮は両脚で結城の腰を押さえてしがみついた。激しい絶頂の予感が全身を駆けめぐる。最奥の壁が恋人のものを、二度と離すまいとするようにきつく咥えこんだ。これ以上は耐えられない。
「ヤバ、も……出るっ」
「あっ、出して、いっ……いく、イクッ、ああっ」
体内の彼をぎゅっと締め付けた瞬間、その先端から熱い粘液が勢いよく噴き出す。蕩けきった粘膜が、もう我慢することはないとばかりに、体内の恋人にむしゃぶりついた。
「ひ、あ……あ」
細胞のひとつひとつを満たされていく感覚に、言葉もなく身悶える。
前の部分を口に含まれ、一方的に奉仕されるのは心地好い。強制的に追い詰められ、先に何度も極めさせられるのも嫌いではない。だがこうして向かい合って息を合わせ、同時に昇りつめる、この快楽に勝るものなどなかった。
「あ、気持ちいっ、結城……あっ……!」
欲望の証を受け止めるたび、快感に耐えきれず両膝がぶるぶると痙攣する。内側の壁が緩急をつけて彼を締め上げ、あの手この手で少しでも多くの精液を搾り取ろうとした。
「うっ、う……ああ」
叩きつけられた欲望が身体の奥に沁み通っていくのを感じながら、篠宮は肩を震わせた。最後の一滴を注がれた後も快感が止まらない。
「ああ……すごく良かったよ。中ピクピクさせて……まだイッてるの? 篠宮さんの身体、ほんとエッチすぎ……最高だよ」
呼吸が落ち着くのを待ってから、結城が自らのものをゆっくりと引き抜く。それにすら感じてしまい、篠宮は背を反らして呻き声をあげた。
「篠宮さん、そのまま横になってて。拭いてあげる」
荷物の中からウェットティッシュのような物を取り出し、結城が汗ばんだ身体を清めようとする。茂みからがさがさと音がしたのはその時だった。
「なっ……!」
情事の後の気だるさが一瞬で霧散する。篠宮は驚いて身を起こした。
誰も居ないだろうと気を抜いていたが、もしかしたら覗かれていたのかもしれない。そう思うと背中に冷や汗が浮かんだ。
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