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さらなる愛の証

「直前で抜いて外に出すって手もあるけど、篠宮さんのナカ気持ち良すぎるから、ちょっと自信ないんだよね……日本に帰ったら、いーっぱい中出ししてあげるからさ。それまで我慢して?」 「う……」  羞恥心と情欲の板ばさみになり、篠宮は泣きそうな声をあげた。世の恋人や夫婦はみんな、こんな風に自分たちだけの秘密を持ちながら、なに食わぬ顔で日常生活を送っているのだろうか。そう思うと、この世に信頼できる人間など、自分の恋人以外には一人も居ないような気がしてくる。 「そのまま力抜いて。ゆっくり挿れるからね」  避妊具をつけたものを、結城が後ろから押し当てる。特に努力する必要もなく、後孔が柔らかく広がって先端を飲み込んだ。力を抜くのが楽な体勢なのかもしれない。 「んっ、あ……」  結城が徐々に腰を進めていく。繋がった狭間の部分に根元の茂みが触れると、二人の身体は、まるでふたつのスプーンを重ねたようにぴったりとくっつき合った。 「ああ……やっぱ篠宮さんの中、最高。すごく気持ちいいよ……中がうねってる」  背中から手を回し、結城がパジャマの下の胸許を撫でる。首筋にキスをされると、後孔がぎゅっと収縮して結城を締め付けた。 「あっ、ん……結城」  自分にとって敏感な場所である背中が、衣服に覆われているのがもどかしい。甘い声をあげながら身をよじり、篠宮は自分でパジャマのボタンを外していった。 「もっとくっつきたいの?」  心得たように篠宮のパジャマをたくし上げ、結城が自らも片袖を脱ぐ。露わになった背中に、裸の胸が押し付けられた。肌と肌が触れ合っただけで、自分でもどうかしていると思うほどの快感が生まれ、腰が揺らめいてしまう。 「気持ちいい?」  結城が、篠宮の屹立したものにそっと指を這わせた。 「いや、あ、駄目っ」  ゆるゆると扱かれただけで、先端から先走りが溢れ出していくのが見なくても分かる。右手を伸ばして結城の愛撫を遮ろうとした途端、思いがけぬ力で脚を絡められ、さらにがっちりと押さえ込まれた。 「駄目じゃないでしょ。ちゃんと気持ちいいって言って。こんなに奥ピクピクさせて、嘘ついてもすぐ分かるよ」  意地悪な声で囁き、結城がパジャマを脱がせながら肩口にキスをする。もはや抵抗する気もなくなり、篠宮は恋人にされるがまま快感に身を任せた。前を扱かれるたび、内側の壁もそれに合わせて収縮し、結城のものを包んで波打っていく。 「分かる? 篠宮さんのここ……俺のを美味しそうにしゃぶってるよ」 「あっ、いっ……言うな」 「なんで……? 篠宮さんのここが俺のを好きって言ってくれて、嬉しいよ」  結城が後ろから腰を押しつけ、より身体を密着させる。前を指先で軽く握られ、こうして淫らな言葉を囁かれているだけで達してしまいそうだ。ほとんど動いていないのに、欲望が出口を求めてせり上がってくるのが分かる。

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