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同じだけの幸せ
「ん……うあっ、も……結城」
「もうイキそうなの? ほんと敏感なんだね。可愛い……大好きだよ」
「いやっ、あ……!」
好きと言われるたびに、中の粘膜がひくひくと蠢いて、さらなる愛の証をねだる。二人を阻む〇・〇一ミリの壁がもどかしい。
「キスしたい……こっち向いて、篠宮さん」
恋人の呼びかけに応え、篠宮は背をひねり振り返った。繋がったまま脚を絡め、お互いに軟体動物のように身をねじ向けて口接けを交わす。舌が触れ合うたび身体の芯が熱く火照り、限界が近いことを伝えていた。
「あ、ああ、んっ……結城」
「すごい、めちゃめちゃ締まってる……! ねえ篠宮さん。どう? ちゃんと気持ちいいとこに届いてる?」
「来てるっ、あ、気持ちい……いや、あ、奥だめっ、あっ」
「ほんと篠宮さん、奥のとこ好きだよね……ほら篠宮さん、布団に飛んじゃわないように、ティッシュで先っぽ押さえて。こっちもいっぱい触ってあげる」
結城の手が、熱く硬くなった篠宮のものを根元から擦り上げる。指の腹で先端を撫でられるたび、内側の壁が淫らに蠢いて、体内の恋人を舐め回した。
「んんっ、結城……あ、んっ」
背を仰け反らせ、篠宮は絶頂の予感に身を震わせた。内壁がぎゅっと収縮することで、体内に咥え込んだものがより大きく感じられる。
「ああ……篠宮さんの中、最高……! キツキツで気持ちいいよ」
結城がゆっくりと腰を前後させ始める。敏感になった粘膜を擦られる快感に、篠宮は甘い悲鳴を上げた。
「いやっ、あ、あっ」
脚を絡めて押さえこまれ、後ろから突き入れられ、前を容赦なく扱かれる。強制的に射精させられる屈辱感が、甘美な痺れとなって全身を走り抜けた。
「いっ……イク、あっ、出る」
「出して……俺も出すよ」
押し殺したような呻き声と共に、体内のものが力強く跳ね上がる。避妊具をつけていることも忘れ、篠宮は夢中で恋人に身を押しつけた。
「んあっ、あっ、あ……!」
思いの丈を注がれていることを感じながら、腰を震わせて自らも欲望を吐き出す。結城の手が根元から先端までをしごき上げ、白い蜜を余さず搾り尽くした。
「篠宮さん……好き……愛してるよ」
譫言 のように繰り返される愛の言葉が、優しく耳に響く。
一瞬、篠宮の胸に僅かな痛みが走った。結城に較べると、自分はあまりにも言葉足らずだ。好きの一言さえ滅多に口にしない、その頑なな態度が彼を傷つけてはいないだろうか。これほど深い愛情を向けられて、自分は同じだけの幸せを彼に与えることができているのだろうか。
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