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明日は仕事

「そろそろいいかな」  揃えた三本の指が入るのを確認し、結城が棚の引き出しから避妊具を取り出した。 「あ……」  くぐもった声を上げ、篠宮は二人を阻む障害物をじっと見つめた。その表情を見た結城が、くすりと声を立てて笑う。 「そんな残念そうな顔しないの。明日は仕事なんだから、身体が辛くなったら困るでしょ?」  あまりにもあっさりと心の内を読まれ、篠宮は恥ずかしくなって眼をそらした。一言も発していないのに、どうして結城はこれほど正確に自分の思いを見抜くことができるのか。時々、彼は何かそういった特殊能力の持ち主ではないかと思うことがある。 「べっ……別に残念なわけじゃ」 「なに言ってるの。生で奥まで挿れて、中に出してほしいって顔に書いてあるよ。でも、今日は日曜日だから駄目。俺だって生でしたいけど、篠宮さんだけに辛い思いさせるわけにはいかないもん」  そこまで言うと結城は、自らのものに避妊具をかぶせて根元までくるくると伸ばした。 「ね、篠宮さん。ちょっと膝立てて身体起こして。両脚ぴったり揃えて、四つん這いになってよ」  篠宮の腰に手を添え、結城が体勢を変えるよう促す。言われるまま腕を伸ばして脚を揃えると、結城はそのふくらはぎを、外側から挟むように自分の足で押さえつけた。脚を閉じた後背位の形だ。 「そのまま、腰だけ後ろに突き出して……ここで待ってるから、自分で挿れてみてよ」  優しく声をかけ、結城が篠宮の腰をゆっくりと後ろに導く。熱く張り詰めたものが後孔に触れ、くぷ、という濡れた音と共に先端が入り込んだ。 「いいよ、もっと下がって……ぜんぶ入るまで」  優しく促す声を背後に聞きながら、息を吐いて恋人の滾ったものを受け入れていく。中がゆっくりと押し広げられ、愛する人に満たされる喜びが全身に広がっていった。 「んあっ、あ……結城」 「そう、上手だよ……遠慮しないで、ちゃんと奥まで挿れて。奥のとこ大好きでしょ?」 「い、いや……ああっ」  嫌だと首を振ってみても、快楽を覚えさせられた身体が、勝手に動いて恋人の欲望を飲み込んでいく。肌に彼の根元の茂みが触れた。大きく張り出した先端が最奥に触れ、それを歓迎するように、湿った粘膜が熱を帯びてうねり始める。 「ほら、これが俺の形……判る?」  重ねるように腰を押し付けられ、篠宮は声もなく喘いだ。内側の壁がひくひくと動き、恋人に寄り添ってその輪郭を確かめているのが解る。 「あ、う……」  身も世もなく全身で甘えているようだと思って、篠宮は羞恥が胸に満ちていくのを感じた。その恥ずかしさが、この上ない官能のスパイスとなって感度を高めていく。

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