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第13話
「おい、何でこうなったんだよ?」
クラスメイトの1人が先輩五人に聞こえないように言ってるのでしょうか、今先輩方の顔がひきつっていたので……聞こえてます。
「ごめんなさい」
嫌な思いをさせているのてあれば、謝るしかないのです……。
「いや、笹倉さんのせいじゃないよ!!」
……いえ、私のせいです。
クラスメイトは庇ってくれますけど、杉原先輩に馬鹿正直に答えた私が悪いのです。
先輩方は、
「そうだね、笹倉さんは悪くないよ。先輩を出し抜こうとしたほかのカワイイ後輩くん達の方が悪いんじゃない?」
「正論だよなぁ」
満員電車の中なのに、賑やかに同じ制服を着た生徒が十人。
一応それなりの有名な名門学校なので、目立つのでしょうか?
(先程から視線が痛いです)
「でも杉原が笹倉に声かけてくんなかったら、一生一緒に歩けなかったかもな!!」
「それを言うなら、朝叶ちゃんが杉原に声をかけて知り合いになれなかったら、だな」
(……?)
何故私と歩けないのでしょう。
私と歩くのにどうしてそう思うのでしょう、と首を傾げて考えていました。
すると大きな駅に電車は止まり、考え事をしていた私は人の波に押され勢いよく飛び出してしまいました。
「わわっ!?」
「叶!」
杉原先輩が一番最初にそれに気が付き声が響きました。
「叶さん!違う駅だ」
「笹倉乗って!!」
皆の慌てた声が聞こえましたが、……私は運悪く私は乗り込めませんでした。
最後にスッと杉原先輩がこの駅のホームに降りたところでドアは閉まってしまって……。
クラスメイトや先輩達は心配そうに窓から見ていたけれど、杉原先輩は『大丈夫』と、ひらひら手を振っていました。
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