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第27話
私が昇降口に行くと、下駄箱の横に縦長い影があありました。
「……杉原先輩」
「叶、送らせてよ」
けれど、先輩は私を虐めていたリーダー核の……『杉原 亮』のお兄さんなのでしょう。
(信用なんて私には無縁です……)
「また倒れでもしたら大変だし、心配なんだ」
「……」
「俺が叶の心配したら、……ダメかな?」
またその優しそうで困ったように笑うなんて。
その表情は、とても卑怯です。
その表情を見ると、私は抵抗出来なくなってしままいます。
「……途中まで、お願いします」
私はその申し出を受け取ってしまいました。
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