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第75話

「叶には『合意』のお仕置きを受けてもらうよ」 耳元て小さく呟いてからフッと息をかけられました。 「……あっ」 私はくすぐったくて身をよじりました。 「キスしていい?」 多分『合意』ですから返事が必要なんですよね。 「……はいぃ」 「晴れてるから、凄いの?」 私は恥ずかしくて声に出来ませんでしたが、頷きました。 先輩はクスクス笑って1回だけチュッと音を立ててキスを落としました。 「叶、可愛いね……。舌、出して」 私は言われた通り少しだけ、舌を出すと唇で挟まれて吸われます。 吸われるだけじゃなくて……絡め取られました。 息継ぎが上手くいかなくて…酸欠になりそうでしたが、先輩のは上手に息を吐いています。 (……ズルいです) 杉原先輩には何故こんなに余裕があるんですか? 聴きたいです、……ですが怖くて聴けません。 「……服の中に手ぇ、入れてもいい?」 今まで許可もなしに服の上から触っていたのに、今日からなんて聞かないで欲しいです。 ですが恥ずかしいですが……入れて欲しいかもしれないです。 「……はい」 「じゃあ、入り口作って?」 「!!」 意地悪です、入り口なんて……。 私は恥ずかしいですが、裾を少しだけたくし上げました。 「触ってって言って?」 「……先輩、あの……恥ずかしいですっ」 私の顔は熱くて、多分これが恥ずかしいです。 相手が……杉原先輩だから恥ずかしいんです。 「『合意』のお仕置きでしょ」 ……っ。 「さっ、触ってくだ……さぃ……」 消えさりたいです。 ……最後の言葉はもうほとんど聞こえていなかったと思います。触るのでしたら好きに触って欲しいです。 「……言ったよね?『合意』?」 杉原先輩の声がとても甘く甘く聴こえます。 「『合意』……です」 お願いですから、これ以上聞かないでください……。 「……ごめん叶、意地悪しすぎちゃった」 ……え? 「お仕置き終わり!!」 そう言うと杉原先輩は身を起こしました。 「これじゃ『合意』じゃなくて『強制』だもんね?俺はそんなのヤだし」 先輩は押し倒された状態のまま寝転んだ私に手を差しのべています。

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