6 / 14
【鈴蘭の間】5
零次は見つけた一点を的確に抉りながらゆっくりと小粋の中を深く突き上げ、前立腺を引っ掛けながらギリギリまで引き抜く。
ごり、と音を立てるように中を掠めていく硬い其で小粋の視界にはバチバチと閃光が走り、圧倒的な質量で内臓を押し上げる圧迫感に息を詰まらせる。
圧迫感が和らいだかと思えば、前立腺に引っ掛かるカリが意識を攫いながら快感を与え、目の前がフラッシュのように弾ける。
抜ける感覚が排泄感を思わせ、腹に力を入れて排出を試みるが、意思を持って小粋を嬲る零次の其はギリギリの所で中へと戻ってくる。
「ッあ゙、っ、ゥあっ──!、……っくり、や、ンの…っ、やめ、……ろ、あ゙、ぅっ、ンッ」
「ん──、?」
やめろ、と言われた所で零次は動きを止める事なく、飽くまで緩慢に小粋を味わう。
徐に小粋の耳元に寄せていた顔を上げ、姿勢を膝立ちに変えると、骨張った細い膝を掴んで閉じる。
分泌液が溢れ滑りが良くなったおかげで緩くやわらかな圧で零次を包む中が、ぐっと窮屈になって纏わりつく。
反してやっと零次の質量に慣れてきていた小粋は、零次のモノの大きさと硬さを改めて痛感させられる。
「ッ──、!うご、く、な゙ッ、ぁ……、ン゙ン、っ、あ゙、──、ぁ!」
「名器、って訳でもっ、ねぇな、っ」
ふぅ、と息を吐き出しながら根元までしっかりと小粋の中に埋め込む。
薄く浅いひだは確かに蠢きながら零次のモノに纏わりつくが、非常に単調な造りだ。
圧も低く、求めるような快感は薄い。
小粋も快感を確かに感じてはいるようだが、まだ軽口を叩く余裕がある。
そこで、細い膝を逃がさないように掴み直し、つんつん、と一点を執拗に突き回すように責め方を変える。
「ッあ゙ァッ、っ、!あ゙ぅ、ンン゙ン゙ん、っ──」
「こっち、の方が、好きか、」
「やめッ、そこ───ッ、あ゙っ、そこばっ、かァ゙、あぁ……、!」
──……ちりん、ちりん。
引く隙も無く押し寄せる波の中で小粋は藻掻く。藻掻くと小さく鈴が鳴るのがウザったらしい。
右手でシーツを掴み握り込むと、その波は一層激しく小粋を飲み込みに掛かる。
痺れを齎しながら、そして圧迫感を曖昧にしていきながら打ち寄せる波は、時折狂暴さを持って衝撃的な快楽を運ぶ。
そんな小粋を余所に、零次は澄ました顔で、ずん、と力を込めて突き上げる。
「ッあ゙ァああっっ───ッ!やめ、やめろ、やめッ、嫌だ、いッ、や、だッ、!」
「っは、イくな、ら、さっさとイけッて、」
膨れ上がる快感に、次々に快感が加算されて小粋の中に積み上がる。
それでも、ずん、ずん、と嗾けられる。
零次は、小粋が今一番求める快楽を、一番欲しい形で与え続ける。
しかし、前立腺を責め立てる為に、先端を少し埋める程度で留める零次の絶頂はまだ遥かに遠い。
「だめ、だッ、メ──ッ、ヤっ、だ、いィィ、ッ……──く、待、って、まッ、あ゙、出ッッ、る───っ!」
ちりん。
「っ、ン、」
小粋の目の前が徐々に徐々に真っ白に染まって、最後はヒューズが飛んだように真っ黒になった。
それでも意識がある事を知ら占めるように鈴の音が耳に届く。
一瞬激しく力み、瞬間的に硬直した小粋の体が絶頂に達した直後に脱力する。
出る、確かに小粋はそう叫んだが、射精はなく、だらだらと前立腺液が流れ出ただけだった。
余韻の中でまだオーガズムを感じる小粋の中が、先ほどの非ではない程に熱く蠢く。
一つ一つのひだが震えながら不規則に蠕動し、快を与えた。
「俺はまだだ、っての──、っ」
「ッひ、ッィ、っ」
ぐちゅり、と音を立てて再び根元まで沈んだ零次の其が狙ったのは、まだ膨らみを其の儘に迫り出した前立腺のさらに奥。
ひだが多く密集し、小粋の絶頂と共に複雑に蠕動する部分。
零次の先端を包み込み、絡み付き、吸着し、女性器さながらに激しくうねる。
「ひ、ィぃいっ!、っ、ひぁ、ぁあ、」
前立腺を責める時には野太い濁った悲鳴を上げた小粋の息が引き攣り、底なしに甘い高い啼き声へと変わる。
閉じていた小粋の足を大きく開き持ち上げながら、表情を覗うと未だ嘗てない快楽に怯えた眼差し。
「前立腺より、こっちの方が好きそうだな、」
「っな、に、なに、こ、れ、……やめ、っゃ、だァ、ッ」
「精嚢」
ふ、と吐息と共にしたり顔で笑みを浮かべた零次は、より高く足を持ち上げ、小粋の秘部を暴く。
しっかりと零次自身を飲み込む結合部、そしてだらしなく透明な液体を垂れ流し続ける小粋の可愛らしいものが全て丸見えだ。
最初の頃の威勢を失いつつある小粋をしっかりと懐柔している、そんな支配欲も満たされ、視覚的にも興奮を煽る。
零次は昂りを覚えながら、複雑に入り組んだひだの裏側にある精嚢目掛けて自身を押し込んだ。
「っっ、ひぃ、ゃあああ、っ!、っひ、っひぃ、ぃい、ッ」
「っ、はっ、──、っ」
柔な刺激じゃ届かない其処を、最早暴力的とも言える勢いを以って責め立てる。
「っいいぃ、──っっっ、ひ、っ、や、やッ、なん、か出っ、る……っ、でっ、──、ひいいいぃ、───、ッ!」
「く、──っ、」
抜き挿しすると、じゅっぷじゅっぷと水音を立てるひだが熟れながら零次のモノを迎え、しがみつく。
ひゃんひゃん啼く小粋は左右に激しく首を振りながら、嘗てない快感を振り解こうとする。
零次は勢いを緩める事なく、寧ろ絶頂を得る為に速度を上げて内壁を大きく何度も貫くように抉る。
「や、だ、嫌、い、やッ……い、やァァ、あ、やめ、イっっく、ヒっ、ひ、ぃいいいいいいいい───っ!!」
「はっ、──ク、ソッ、……、イくッ────、!」
先に達した小粋の中が乱れ踊り、零次を絶頂へと誘う。
誘われるが儘に欲を吐き出し、小粋の中へ大量の熱を注ぎ込む。
へこへこと腹を凹ませながら肩で息をする小粋は顔を歪めて目を閉じていた。
時折、絶頂の余韻で小さく息を引き攣らせて内股を震わせる。
そんな小粋の姿を見下ろしながら、零次は治まらない熱が再び一物に集中するのを感じる。
そして休む事無く、再び小粋を姦し始めたのだった。
ともだちにシェアしよう!