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第8話 見えない鎖 <罠> 8

 ぐっとネクタイで絞まる首に、神経が引き戻される。 「ふあぁあっ……」  抵抗も虚しく、ぷしっと弾けるように、俺のペニスから無色透明の液が飛散した。  放った液体に、倦怠感が身体を包む。  はぁはぁと吐かれる荒い息。  それでも、俺を穿つ男の腰は、止まらなかった。 「ぁっ、く……っ……だ、めだ……たの、むから…………」  ひくっと鳴る喉に、涎が顎を伝っていく。  ふと、ピアス男の腰が止まった。  俺の背にピタリと身体をつけたピアス男は、下衆に嗤う。 「イヤだなぁ……男なら、わかるよね? ここで止められると…思う?」  緩く腰を揺すり、俺の尻孔を掻き回す。  ぐちょぐちょと鳴るいやらしい音と、硬い肉棒で擦られる内壁が、身体を、意識を快感の沼へと堕とし込む。 「ぁっ…………はっ……」 「ほら、オジサンだって気持ちぃんでしょ? 中、グズグズじゃん? 出してぇって、あっついの注いでってグズってんじゃんっ」  ゴリュッと擦られる前立腺に、きゅっと瞬間的に力が入り、身体中から硬さが抜ける。  ペニスの一点でだけを、除いて……。  身体が、びくんびくんっと激しく痙攣した。 「ん? あれ? 空イキ……?」  持ち上げられる顎に、涙と涎に塗れた顔を赤髪の男に向けられる。  暈けた視線の先では、赤髪の男が、嘲るような笑みを浮かべる。 「おっさん、気持ちよすぎて死んじゃうかもねぇ」  しゃがみ込んだままの小柄な男の声が、耳の奥に響いていた。  ゲラゲラと笑う声に、意識がぶつぶつと途切れていく。 「ぁっ…………く、ぁ……」  ガクガクと揺するぶられる身体に、何もかにもが崩れ落ちていく気がしていた。 「おっさん、腰、揺れてる」  小柄な男が、可笑しそうに言葉を紡ぐ。 「自分で擦りつけちゃってるよ……ぁあ、こうなると、僕、萎えちゃうんだよねぇ」  さっさと出すわ…、と、ピアス男の腰の動きが激しさを増した。  叩きつけるようなストロークに、腰骨が砕かれるのではないかと思った。 「ぅあっ、がっ……ぁっ……」 「腰、だっるい……」  アナルにペニスを挿したままに、ピアス男が地面に座り込んだ。  赤髪の男に正面から膝裏を持たれ、持ち上げられる。  M字開脚の状態にされ、ペニスを咥え込むアナルも、カウパーを垂れ流すペニスも、目の前の男たちに曝される。 「やめっ……ゃっ…………ンッ……」  カシャッと響く音に、瞳を向けた。  パーカー男が手に持つスマートフォンのカメラが、俺の痴態を捉えていた。 「やめっ……………、ろ…」  せめて顔が映らぬよう、瞳を閉じ、横を向く。  顔を横に逸らすも、隠したい場所は曝されたまま。  必死に背ける顔も、小柄な男の手により、正面へと向けられる。 「潮まで吹いといて、こんな美味しそうに、ちんこしゃぶっとして、感じてませんは、通用しないよぉ?」  嘲るような声を発した小柄な男が、アナルの縁をゆるりと撫ぜた。 「………んぁ…はっ」

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