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第15話 現実の鎖 <準備> 3
「ふふ…、やらしい」
硝子越しに、結合部へと瞳を向けた抹樹は、嘲るような笑みを零す。
「白根さんも見てみて下さいよ」
抹樹の左手が、俯く俺の顎を、ガッと鷲掴む。
手荒く前を向かされる瞳に、硝子に映る自分の痴態が映り込む。
「ほら。見て下さいよ、白根さん。白根さんのアナル、美味しそうに僕のちんぽ、しゃぶってますよ…?」
わざとに、硝子に向かい突き出すように、腰を揺すられ、ぐぷぐぷと音を立てて嬲られる。
俺のアナルは、ぱっくりと口を開け、白く濁った液に塗れた、抹樹のぺニスをしゃぶる。
ぐずぐずに溶かされたアナルは、刺さるぺニスに強請るように、ひくつき蠢く。
「こんな、はしたない格好…、外の人に、見られちゃってるかもしれないんですよ……?」
下から見上げたところで、見えるはずもないことは、明らかだった。
それでも、抹樹の言葉に、俺の心臓は大きく跳ね上がった。
「白根さんって、露出狂なんですか?」
嫌みな笑みを含む声に、ぐっと顰めた瞳を、硝子越しの抹樹に向けた。
「だって、見られちゃってるかもって言ったら、……ほら、きゅんって締まりましたよ…ココ」
俺の右足を引っかけた腕から伸びた手で、アナルの縁をなぞられる。
抹樹の綺麗な指が、白く汚れた結合部の上を滑った。
撫ぜられる感触に、ぞわりとした感覚が、這い上がる。
「白根さん…、本当、エロいですよね……。そんなに興奮しないで下さいよ」
アナルに埋めたペニスで内襞を擦りあげ、抹樹は、楽しげに言葉を紡ぐ。
「んっ…、締めすぎですって。アナルで感じてないで、…早く出して、下さいよ」
ふふっと嬉しそうに笑う抹樹は、アナルから滑らせた手で、カウパーを垂れ流す俺のペニスをなぞり、指を絡めた。
俺のペニスに触れる抹樹の手は、緩くそこに触れるだけで、射精を促すほどの刺激には、ならない。
「そう言えば、白根さん…トコロテンしてましたよね?」
ふふっと漏れる抹樹に声に、ぞわりとした感覚が背を伝う。
…なんで、それを知っている……?
そもそも、最初のあの写真……。
「ぅあっ………」
疑問符に支配されそうになる頭に、ゴリッと突き上げられる感触が、意識を飛散させる。
「僕のテクじゃ…無理、ですか?」
ゴリゴリと前立腺を嬲るように揺すられる腰に、身体がビクビクと震えた。
震える俺の身体に、ぐちゅっと亀頭を嬲られ、アナルに、くっと力が入る。
「ンッ……」
小さく色気のある雄の息を放った抹樹に、下腹部に、再びの熱を感じた。
「……、そろそろ僕、空になりそうなんですけど?」
俺の顔を正面に向け固定したまま、硝子越しに見つめる抹樹は、困りましたね…とでも言いたげに言葉を紡ぎ、笑みを向ける。
「抜けば…いいだろ……っ、はあっ…もう、充分…………だろっ…」
抹樹により、ドロドロに溶かされた俺の身体と、だらしなく歪む顔。
視界に入れていることすら嫌になり、視線だけを床へと逃がす。
「今日は白根さんが出すまで止めないって言ったじゃないですか」
ふっと呆れるように声を放った抹樹は、再び緩く、律動を始める。
何度となく吐かれた抹樹の精液は、下腹部に溜まり、熱く重く、中から俺を犯していく。
「歳を取るとイくまでに時間がかかるって、本当だったんですね」
くすくすと溢すように笑う抹樹に、俺は、荒い息を吐き続けることしか、出来ない…。
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