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第19話 現実の鎖 <準備> 7~ Side M

 思い込みと言うのは、恐ろしいもの。  最初に弟たちが使ったのは、本物の媚薬だ。  でも、俺がいつも白根さんの口に突っ込んでいるのは、その辺に売っている単なる飴玉だ。  飴や菓子を好んで食べない白根さんは、この味を知らない。  白根さんは、まんまと騙される。  白根さん…、その昂りは、薬のせいなんかじゃないよ。  騙される白根さんの姿が可笑しくて、俺は、笑みを禁じえない。  トコロテンしたのだって、潮を吹いてしまったのだって、薬のせいだ。  あんな高校生のガキどもに、白根さんを昇り詰めさせることなんて出来る訳がない。  でも、俺とのセックスで吐き出した熱は、薬のせい、なんかじゃない…。  嘘の媚薬でも、心は誤魔化せる。  心を誤魔化し、感じさせ、身体に快楽を植え付ける。  覚えてしまった快感は、再び得たくなるものだ。  それは麻薬のように、貴方の身体を支配していく。  終わりたくなくて、我慢してるのかと問うた時。  否定するように、白根さんは必死に腰を振るった。  我慢している訳じゃないのは、わかっていた。  早く終わらせたくて、必死に腰を振るう白根さんにも、ゾクゾクした。  自分が感じるように。  自分が気持ちいいように。  快楽に従順に。  獣のように腰を振るう白根さんは、とても、可愛い……。  行き過ぎた快楽が苦しくて、強請る白根さんに、心が満たされ、想いが溢れる……。

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