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第31話 現実の鎖 <お散歩> 5

 白根さんのシャツと肌の間に、硬く勃ち上がっているペニスを、滑り込ませた。 「ぅっ……」  直に、硬く張りつめた熱いペニスが当たる感触に、白根さんは慌て、口を両手で塞いだ。  シャツの上から亀頭をぐっと、白根さんの背中へと押し付けた。  電車の揺れに合わせるように、腰を揺らした。  溢れたカウパーが、白根さんの肌を濡らした。  気持ち悪さに、白根さんは、身体を燻らせる。  リードを離し、腰に手を回し、白根さんのベルトを緩めた。  白根さんは、怪訝な瞳を俺へと向ける。  俺に向く白根さんの瞳に、ぞくっとした感覚が背を這った。 「ンッ……」  白根さんの肩に口を埋め、吐息を誤魔化す。  小さく詰まる息を吐き、白根さんの背中に白濁を、…かけた。  緩めたベルトに、下着ごと、ウエストを後ろへと引いた。  できた隙間に、俺の白濁が白根さんの尾骶骨を滑り、落ちていく。 「ぅっ……ぁっ…」  かけられた嫌悪に、液体が滑り落ちる気持ち悪さに、白根さんは声を零す。  屈辱に顔を歪める。  その顔にすら、俺は煽られる。  それでも、何とか、昂る感情を収めた。  濡れたペニスの先端を、白根さんの背中で拭く。  滴る白濁を、下着の中に滑り込ませた指に絡めた。  そのまま、精液を白根さんのアナルの中へと誘った。 「やめっ……」 「染みてバレるより、いいでしょ? ちゃんと飲んで下さいね」  本当なら、口で飲ませたいところだった。  口の中に塗り込んで、白根さんの体内に取り込ませてしまいたかった。  でも、さすがにそれは、出来なかった。  白根さんの唇を白く染めたい。  でも、他の人間にそれを見せたりは、したくない。  汚してしまいたい欲求と、独占したい感情が、ぐるぐると胸の中で渦巻いていた。  こんな行為が、バレるのも、マズい……。 「溢さないようにしっかり締めといてくださいね」  吐かれ。塗られ。穢され。染められ……。  恥辱にまみれ、憤る意識の下で、何かが蠢く。  貴方の胸の中でざわざわと、騒ぎ立てる。  くすくすとした笑みが零れ、止められなかった。  見えない鎖は貴方を縛り、見える鎖は貴方を虐げる。  虐げられることに、貴方は興奮を覚えている……。  家まで送る過程で、白根さんが襲われた場所を通った。  そこは、直ぐ側に公園があり、草が鬱蒼と茂っていた。  あの草むらの中で犯されたんだよね、白根さん。  無言で、にっこりと微笑んだ顔を向ける俺に、白根さんは、視線を合せようとはしなかった。

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