32 / 90
第32話 現実の鎖 <お散歩> 6
怯えるように、身体を微かに揺らした。
「この場所…、興奮しちゃいます?」
ふわりと触れた白根さんの尻。
白根さんは、嫌悪感を隠すことなく、俺を睨む。
「写真……」
ふと、思いついたように言葉を漏らした白根さんに俺は、くすくすと笑った。
「何で持ってたか、知りたいですか?」
首を傾げる俺に、白根さんは、ぐっと眉を潜める。
「教えませんけど……」
白根さんのチッとなる舌打ちの音に、俺は、ふふっと笑みを零す。
あのレイプは、俺が仕組んだことだなんて知ったら、もっと嫌いになるでしょ。
罠を張って、白根さんのコト、嵌めたんだから。
今更だとも思うけど、これ以上嫌われたくないって思ってる俺も…、いる。
瞳の端に映り込んだ公園のトイレ。
ここのトイレは、広く綺麗なことで有名だったコトを思い出す。
家に向かい緩く足を進める白根さんの腕を、ぐっと握った。
キっと鋭い瞳が、俺に向く。
残念だけど、白根さんに、拒否権はないんだよ。
俺は、そのまま白根さんをトイレへと引き摺り込んだ。
個室に押し込み、後から被さるように身体をつけた。
昂るぺニスを腿に押しつけながら、白根さんのジーンズの前を寛げた。
「どうして欲しいですか?」
下着の上から触れる白根さんのぺニスは、硬く勃ち上がっていた。
下着ごと、白根さんのジーンズを膝まで押し下げた。
「言ってくれれば、シてあげますよ?」
首を傾げ、覗き込む俺に、白根さんは、顔を背ける。
「欲しいものは、欲しいって、この口で言わないと……」
反対側から、再び白根さんの顔を覗き込み、赤く色づく白根さんの唇に、指を這わせた。
「欲しいものは、手を伸ばさなきゃ……」
白根さんの手首を掴み、勃ち上がる俺のぺニスへと導いた。
指先に触れる硬いぺニスの感触に、白根さんの肩が、びくりと揺れる。
「好きにすれば、いいだろっ」
怯え慌てるように、俺の拘束から、逃げ出す白根さんの手。
投げ遣りに吐かれた言葉に、俺は、くすくすと笑った。
直に触れた白根さんのアナルは、くちょっと淫靡な音を立てる。
電車の中で放った俺の精液が、白根さんのアナルを濡らしていた。
「準備万端、ですね」
ふふっと笑う俺に、白根さんは、視線を逸らせた。
不機嫌そうに、悔しげに、顔を顰めた。
「んぁっあっ……」
アナルから延びるコードに指を絡め、ずるりと勢いよく引き抜いた。
内襞を引き摺られる感覚に、白根さんの脚がガクガクと震える。
コードを摘まみ、白根さんの眼前に濡れたコンドームに包まれたローターを掲げた。
震えるローターは、揺らされ、リモコンにぶつかり、カツカツと無機質な音を立てる。
「昼からずっと、白根さんの中に入ってたんですよ」
白根さんを後ろから抱きかかえるように、空いた手を前に回し、ローターからコンドームを剥がした。
剥がしたコンドームを放り、露になったローターを、きゅっと手で握り締める。
「こんな感じなんですね……」
俺の手の中で、ブブブっという小さなモーター音を立てながら、ローターは震え続ける。
振動を思い出したかのように、白根さんは耳を赤く染め、俯いた。
ともだちにシェアしよう!