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第33話 現実の鎖 <お散歩> 7
「なんか熱くなってますね。白根さんの体温ですか……、ね?」
ふふっと小さく笑い、ローターから離した手で、白根さんの頬に触れた。
悔しげに、くっと詰まるような音を立てる白根さんに、ぞくぞくとした痺れが、身体を駆けていった。
「映画館でオアズケしちゃったし、お散歩がちゃんと出来た″ご褒美″…、あげますね」
言われなくても…ね、と尻を撫で上げた。
咥えるものも、刺激も失せたアナルは、先を求め、ひくついていた。
振動を止めたローターを自分のジーンズのポケットへと突っ込み、前に寛げる。
引きずり出したぺニスを、白根さんのアナルに、ぴたりと宛がった。
白根さんは、予見している。
この先の出来事を。
それでも、反抗することは、ない。
白根さんはもう俺に、逆らえない。
ずぷぷっと微かな抵抗を受けながらも、白根さんの中へと飲み込まれる、俺のぺニス。
「はぁ……」
あまりの心地よさに、俺の口から、熱を纏う吐息が零れた。
白根さんは、壁についた手を、きゅっと丸め、握り締める。
少しでも圧迫される感覚を逃すように、俯き、はっはっと小さく息を継ぐ。
ぐっと首輪に繋がるチェーンを引き上げた。
白根さんは、首を真上に持ち上げられる苦しさに、顔を上げた。
「ぅぐっ………」
「苦しくなると絞まるんですね…」
キっと潤んだ瞳で、睨めつけられた。
ぞくぞくとする快感が、俺の背中を駆け上がってくる。
きゅんっと俺のぺニスを締め上げる白根さんのアナルに、ぞくぞくとした痺れが、身体を駆ける。
俺は、堪らず、腰を燻らせた。
「んはぁっ…………」
ゴリっと擦られる感触に、白根さんは、喘ぎにも似た吐息を溢す。
「あんまり啼いたら、バレますよ?」
腰を緩やかにストロークさせながら、白根さんの感じるポイントを攻めあげながら、揶揄うように言葉を紡ぐ。
「ンッ………くっ…」
俺の言葉に、白根さんは素直に、唇を、きゅっと噛み込み、音を殺す。
それでも、小さく漏れる吐息は、堪らない、いやらしさを纏っていた。
赤く染まる白根さんの耳に唇を近づけ、囁いた。
「ここ、外ですよ……」
わざとに紡ぎ、羞恥を煽る。
声色に、言葉に、白根さんは身体を震わせる。
「露出狂の白根さんには、バレた方が都合が、いいですか……?」
ゆるゆると白根さんを穿ちながら、ふふっと笑う俺を、潤んだ瞳が睨め上げる。
悔しさと快感の入り交じる瞳は、俺の腰を直撃する。
「はぁ…、っ…、はやく……」
小さく紡がれる白根さんの声に、耳を近づける。
唇に耳を近づけるために、逸らせた俺の瞳に映る、きゅっと握られている白根さんの手。
白く震えるほどに力を入れて握られているその拳に、ふわりと手を重ねた。
「……っ」
握られる手に、白根さんは息を飲む。
まるで愛してると囁くように、優しく包まれた手に、白根さんの驚きが、零れていた。
「早く……、なに?」
ぐっと握られている拳を、開かせるように、指で愛撫しながら、言葉を紡いだ。
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