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第46話 外せない鎖 <逃亡拒否> 6~ Side M
獣のように、昂る感情は、堪えられるものじゃない。
シャツの裾から手を挿し込み、白根さんの肌を撫ぜ上げる。
ボタンを外しながら、首筋から鎖骨へかけ、舌を這わせた。
「こ、…こらっ。抹樹っ」
俺の頭を掴み、抵抗する白根さんは、慌てたように声を放つ。
俺は、白根さんの肌に舌を付けたままに、瞳を上げた。
「ベッド…、そこにあんだろっ」
きょとんとした瞳を向ける俺に、白根さんは、口許を手の甲で隠し、瞳を逸らせた。
耳が赤く染まっている。
俺は、思わず、ふふっと笑った。
「白根さん…、可愛いですね」
「は?」
不服気に、声を放った白根さんは、心底不機嫌そうに、眉を潜めた。
「こんな、おっさん捕まえて、何を言ってんだっ」
真っ赤に染まった顔で、そんなことを言っても、迫力に欠ける。
ただ、俺を煽るには、充分で。
脇に手を差し、ぐっと白根さんを持ち上げた。
くるりと身体を回し、ぼふっと音を立て、白根さんの背中からベッドへと沈んだ。
何とも言えない雰囲気に、これから始まる行為に、白根さんは瞳を游がせる。
堪らない俺は、そのまま白根さんのスラックスのベルトを外し、下着の中に手を突っ込んだ。
「ばっ………、焦るなっ、がっつくなっ」
俺の胸を押しやろうと暴れる白根さん。
可愛くて仕方なかった。
下着の中の白根さんのペニスは、さほど反応していない。
無理矢理に下着の中から引きずり出した白根さんのペニスを柔らかく揉んだ。
俺の手に少しずつ反応を見せるペニス。
白根さんの口からは、艶やかな色気のある吐息が零れ始める。
無造作に、白根さんのスラックスを、下着ごと剥ぎ取った。
ベッドの上で足を開き、横たわる白根さんの脚の間に腰を据えた。
ゆるゆると玉を揉みしだきながら、白根さんを見下ろす。
口許を手の甲で隠しながらも、俺にされるままに、白根さんは喘ぐ。
半開きにした唇を白根さんのペニスへと近づけて、上目遣いに見やった。
「…舐めて、いいですか?」
舌を伸ばし、触れる直前で止めた。
俺の声に瞳を向けた白根さんの顔が、急激に赤さを増した。
「ばっ…」
腹立たしさと恥ずかしさに、俺を蹴飛ばそうと上げた白根さんの足が、力なくベッドの上へと落ちる。
「聞くなっ……」
投げ遣りに吐かれる白根さんの言葉は、俺の行動を制限しない。
寄せる唇に目の前の白根さんのペニスは、ぴくっと震える。
ぎりぎりまで寄った俺の唇に、白根さんのペニスは、期待に蠢く。
「ふふっ………」
気持ち悪がられるかと思った……。
でも。
期待してる。
ペニスは、正直だ……。
あー、と声を出しながら、白根さんのペニスにしゃぶりついた。
どくんどくんっと息づくそれに、ぞわっとした感覚が身体を撫ぜる。
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