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第49話 外せない鎖 <逃亡拒否> 9
ごりっと抉られる感触に、四肢が、びくんっと震える。
「いいじゃないですか。全部消しちゃったから、無いんですもん……」
むっと口を突き出し、駄々を捏ねる子供のように声を放った抹樹。
ぴたりと俺の背に腹をつけた抹樹は、目の前にスマートフォンを掲げた。
―― カシャッ
俺の後ろからレンズを覗き、抹樹は、シャッターを切る。
「やめ……ろっ…」
目の前に翳されたスマートフォンを弾こうと、手を伸ばす。
抹樹の空いている手が俺の後頭部を掴み、顔を向かい合わされる。
そのまま、俺の唇が、抹樹のそれに塞がれる。
空気を遮るような、荒々しい口づけに、酸欠に喘ぐ脳は、暈けてくる。
遠くで、カシャカシャと、撮影時の効果音が聞こえる。
散々、写真を取った抹樹は、満足したように、手にしていたスマートフォンを、ぽいっとベッドの端へと放り、俺の背にぴたりと身体を被せた。
「ここも…、ここも…、全部、俺の………ふふっ…」
アナルの縁を撫ぜ、俺のペニスへと絡めた指で、緩く撫ぜる。
俺の背に唇をつけた抹樹は、じゅっと強く吸い上げた。
「んぁっ…………」
刺すような痛みを伴う感触に、俺の口から甲高い音が漏れた。
恥ずかしさに、慌て、片手で口を塞いだ。
かっと上った血は、耳までもを、赤く染める。
「可愛い………」
赤く刻まれたであろう刻印に舌を這わせながら、抹樹は、満足そうに言葉を零す。
「っ……、可愛い、とか、…、言う…、なっ」
空いている手を後ろへと振るった。
「ぃっ……た…」
無造作に振るった手が、抹樹の腿を叩いた。
痛みから逃げるように振られた抹樹の腰に、アナルの奥を抉られる。
「ンッ……ぁっくっ………」
片手に腰をベッドへと押しつけられながら、ぐっと後頭部の髪を鷲掴みにされた。
痛みに喉を仰け反らせ、抹樹を振り返る。
くっと苦しそうに顔を歪める抹樹の色気のある表情に、堪らず、腰を捻り、抹樹の後頭部へと手を回した。
ぐっと抹樹の髪を掴み、顔を引き寄せた。
噛みつくようなキスを見舞った。
重なる唇に、抹樹は、驚きに瞳を開いた。
俺の中で、抹樹のペニスが、ドクンと一回り大きく育つ。
大きくなった硬く熱いペニスに、ごりっと前立腺を抉られ、ぞくっとした痺れが身体を駆け抜けた。
「ぅ、あ…………っ」
押し出されるように、身体中に走った痺れに、俺は、白濁を吐き出していた。
顔が、身体が、真っ赤に染まる。
触られてもいないのに、精を吐き出してしまった自分が恥ずかしくて仕方ない。
抹樹の頭を投げるように放ち、シーツに顔を押しつけ、隠した。
認めた感情に、身体は抗う術を知らなかった。
それでも、抹樹の腰は止まらない。
「や、………まて、待てっ…てっ、ぁっ…はっ……」
腰が意識の外で、カクカクと動く。
恥ずかしくて、仕方がないのに、身体の揺れが止められない。
抹樹の指が白く汚れる俺のペニスを、ぐにゅりと掴む。
「中だけで、イっちゃいましたね?」
ふふっと抹樹は、嬉しそうに笑う。
その腰は、止まることを知らなくて、ずっと、俺を追い立てる。
「ぁ……や、………ま、…て…、止っ………くっ…ぁっ………」
ずんずんと俺の奥を穿ちながら、抹樹は、熱い息を零す。
「止まれるわけ…、ないじゃん………」
はぁっと熱く艶めいた息を零す抹樹は、後から俺をぐっと抱き締めながら、腰を早めた。
「ぅっ………、ぁ、だ、……め、…ぁっ………くっ…」
びくんっと身体が跳ね上がる。
ぐっと、抹樹のペニスを締めつけてしまった感覚に、腹の中に熱い液体が注がれた。
抹樹は、そのまま、俺の背に体重をかけ、ぐたりと項垂れた。
「はぁ………………、好き」
俺の頸にキスを落とし、抹樹は、そのままベッドへと沈んだ。
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