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第55話 ちぎりたい鎖 <暴露> 5
玩具を引き抜かれ、抹樹自身が俺の中へと挿り込む。
「ぁあ……はっンッ………」
熱を持つその杭に、穿たれる身体は歓喜に啼く。
「とろっとろですね……」
柔らかく俺の頬を撫でながら、陶酔するように呟く抹樹に、脳も身体も溶かされる。
「声、抑えないで……。もっと、啼いてよ、白根さん。エロい声…、聴かせて」
おっさんの喘ぐ声など、色気もなにもない。
思うのに、耳の端を噛まれ、揺さぶられる感覚に、俺の口からはあられもない声が零れ落ちる。
「っん………ぁあっ…」
俺の声に反応するように、アナルの中に埋まる抹樹のぺニスが、どくりと疼き、質量を増した。
身体の下に敷かれた拘束されたままの両手に肩を揺らした。
両腕と肩の痛み。
それよりも、見えない怖さに、触れたくなる。
「…ぁ、はっ……、外して、くれ……。腕だけ、手だけ……」
瞳を向けたところで、抹樹の姿を視認できない。
閉ざされた視界に、手で触れ体温を感じ、俺を抱く男の存在を確認したい。
「痛い……だっ、ひっ、ぁあ………っ」
ぎゅっと俺の身体を抱いた抹樹に、ぐっと起こされる。
自分の重さが加わり、抹樹のペニスが奥を割り開く。
肩越しに俺の背中を覗いた抹樹は、拘束された両手を緩やかに撫でた。
「真っ赤になっちゃいましたね」
ゆるゆると腰を前後に揺すられ、小さな衝撃が絶え間なく与えられる内襞は、吸いつくように抹樹を締める。
「手は取ってあげますけど、目隠しはそのままですよ?」
俺は、抹樹の肩口に顔を埋めながら、何度も頷いて見せた。
俺を攻めながらも、抹樹は両手を拘束する紐を解いていった。
抹樹の上体が、俺から離れた。
ばふっと音を立て、仰向けに寝転がったと推測される。
腕の拘束は解かれたが、その手は、それぞれ抹樹に握られ、自由はない。
「ぁ、…あっ、……ンッ、ぁ……」
何度も突き上げられる身体に、俺の意識は快楽に沈んでいく。
「イイ眺め……。もっと腰、振って下さいよ」
下から細やかに腰を突き上げながら、抹樹は笑う。
抹樹の身体の上に、倒れ込みたい。
背も腰も、身体の中も、すべてが痺れ、力が抜けていく。
「後ろ、向いて」
抹樹は、身体を反転させろと難題を吹っかけてくる。
くたくたの状態で、自由の利かない身体に、俺は首を横に振るった。
俺の手を離した抹樹は、足を掴む。
抹樹の胸許へと倒れそうになる俺の身体を無理矢理に反転させた。
「ぃ、ぁあアっ………」
ごりっと奥を抉られる感覚に、悲鳴とも嬌声とも取れない声が零れた。
抹樹の足を挟むように、ベッドに両手をつく。
背や脇腹を撫でた抹樹の手が、尻肉を掴み、左右へと割り開く。
「ひくひくしてるの丸見え。俺の根元まで旨そうに咥えて……やらしいですね」
尻を掴む親指が、縁をなぞった。
恥ずかしさに逃げようとする俺の身体に、上体を起こした抹樹の手が、ペニスを握る。
「ぁっ………ンッ…」
「いつもより、びしょ濡れじゃないですか。見えなくて、興奮しちゃいました?」
くすくすと笑う抹樹は、楽しそうに俺のペニスを柔く扱く。
溢れたカウパーに、にちゅにちゅと粘着質な水音が耳を犯した。
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