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第4話 レンの正体1
夜の道を、俺はレンと一緒に歩いていた。
さっきのスマホの写メ、やっぱりレンだった。本人がそう証言したんだから。
「でも、なんで?」
そういえば、今のレンもちょっと小奇麗な格好している。男らしいというか、オシャレな格好していて、なんか、いいなーって思った。
「うーん、蓮になら話してもいいかな。セックスした相手に撮ってもらったの。」
足がなにかに躓いて、マジに転んで前のめりに倒れてしまった。
「蓮!大丈夫?」
こんな漫画みたいなコケ方して、共々笑ってしまった。
「…はははっ。いやー、変なコケ方して。」
「あーびっくりした。」
「俺もだ。」
見つめ合って、プッと吹き出してしまった。
「んで?セフレに撮ってもらったって?」
一息ついて、自販機でジュースを買って、二人で飲んでいる時に、改めて聞いてみた。
「ラブホでさ。セックス終わったあとに、セフレがいつも何枚か撮っていくんだよ。ちょっと色っぽい仕草でとか言って。それでLINEで送ってもらうんだけどさ。そのうちの1人が、どっかに投稿したらしいんだよね。たぶんタンブラーとかだと思うんだけど、あんまりメジャーじゃないところだと思う。」
さらっと言ってるけど、およそ高校生のセリフじゃないなと思った。レンって、エッチの経験、この聞いている範囲だけでもけっこうあるみたいだ。
「それが、クラスの女子に見つかったらしいんだな。先週寄ってきたのは、その写真見せられてたんだ。どっちかというと、ヌード写真を、もっと見たいっていうこと言ってた。女の子の家に誘われたし。でも断った。」
女子もなんでそういうところに興味あるんだか。なんでレンなんだろうか。そりゃちゃんと見りゃ可愛い顔してるのは俺も判るけど。
「ということで、今日もセックスしてきた帰りなんだ。写真送ってきたけど見る?」
ぐほっ、けほっ。ジュースが気管にっ、げほっげほっ。
「大丈夫?しっかり。」
背中をバンバン叩いて、なんとか治まった。
「レン〜、おまえ、そういうキャラだったの?何も興味ないお地蔵さんって思ってたのに。」
「なんか、クラスの皆そう言ってるよね。実際そうだけどさ。」
「だって、レンがここまで流暢に喋ってるところって、今まで見たこと無いぞ。」
「そうだよ。だって興味ないことばっかりなんだもん。」
スポーツも全然やらないし、だから部活もやってない。勉強も数学は微分積分バッチリ判ってるのに、英語や社会は全然ダメ。学校が終わったら、すぐに帰ってるもんな。
「だから帰ってセフレと会ってるんだよ。」
自販機に寄りかかってるところを、足が砕けて体がずり下がった。
「蓮、今度はどんなボケかますか、楽しみになってきたよ。」
「レン〜、お前のキャラ、ホントイメージと違ったんだな。」
「でも、僕がセックス好きになったのは、高校に入ってからだよ。この1年くらいだよ。」
「あのさ、」
声を潜めて、レンの首に腕を回して引き寄せた。
「セックスってさっきから言ってるけど、相手ってどんなヤツだよ?」
「僕のセフレ?んーと」
と、スマホごそごそ取り出してきて
「んーっとね、あ、女の人じゃないよ。みんな男の人。」
「はぁ?」
「あ…、もしかして、女だったら紹介してほしいと思った?」
「あ、いや、そうだけど、いや違うって。それに、『みんな』って?」
「今日は会って2回目の人だな。会社員の。来週は毎月遠くから会いに来るおじさんだけど」
「ぉぃ???」
なんだこりゃ?どんなことになってるんだ?頭がついていかない。
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