学校のパソコン部のオタクと知り合うようになって、この春休みにパソコン買っちゃったんだけど、ほんっとに活用してますわ。 ネットの腐女子仲間と知り合うようになってから、部活が疎かになっちゃうくらい。 一応、写真部だから、写真の画像の勉強も兼ねてるのはホント。でも、ネットに繋がってたら、どーしても、…どーしても、裸の写真って目に着いちゃうのよね。 「この前の遠征の写真、600枚のうちから学祭に使えそうな3枚くらいを選んでって言われたわ。」 「銀盤くらいの解像度だったら、やっぱり20万以上のカメラが必要になってくるわね。」 など、一応写真部らしいセリフを交えながら活動してるけど、その場が数人になったら、そっちのエッチな話に変わっちゃうのよね。 「文子（あやこ。私の名前ですよ）〜、例のレンくんだけどさ。」 友達も、ＢＬ好きの腐女子。そちらは文章を読む方がメインで、イラストや小説を読んで妄想するのが好きだっていう人種です。ちなみに、パソコン部のオタクと付き合ってるらしく、パソコンにはめちゃ詳しいの。 「またタンブラーに画像が載ってたわよ。」 タンブラーというのは、飲み物を入れておく容器ではなく、インスタみたいな、画像を共有するSNSのひとつで、けっこうエロな写真も載ってたりするところ。その名前がタンブラー（tumblr）というの。実在するので、調べたらすぐ分かると思うわよ。 「なに、今度はどんなの？」 私もレンくんのこと可愛くて好きだから、すっごい見たくて。スマホを渡されて、パッと見たら、 「う、わー、今回はまたスゴイわね。」 「でしょー。あたしもドキドキしながら布団の中でくるまってたわよ。」 どれもレンくんが写真の中心に写っていて、口を大きく開けて大人のペニスを頬張ろうと待ち構えてる構図とか、裸の男に囲まれてM字開脚して両腕を股に伸ばして中心を隠している格好とか、屈伸の斜め後ろ姿をちょっと下から見上げるようなアングルで顔をちょっとだけこっちに向けている素振りとか、 「モデルさんを撮るのに慣れてる人なのかしら。」 「光源の使い方が上手よね。」 「こういう顔の表情って難しいのよね〜レンくんも慣れてるわね。」 なんて、写真部目線でいろいろ話している。しっかり夢中になってて、 「お、ヌードも撮るのか？よくＯｋもらえたな。これレンだろ？」 後ろから声が聞こえて、二人はびっくり！椅子ひっくり返しちゃった。 「お、あぶね。気をつけろよ。それと写真の管理も、な。」 「副部長…？」 笑って手をひらひらさせて、部室の奥に入っていった。 私達は、顔を見合わせた。 「ボクは写真部であるので、そういう被写体は芸術作品として見るから。でも一般的な人にとってそれは、欲望の眼差しで見る人も多いだろうな。」 私達はちょっと迷ったけど、このレンくんの写真のことを聞いてみた。実は副部長、去年からレンくんの裸写真は知ってたみたい。 「そうなんですか？なんで教えてくれなかったんですか？」 「みんなも、エロ目線で見ちゃうと思ったから。でも、さっきの会話聞いてたら、けっこうしっかり分析してたよね。だからもう大丈夫じゃないかなーと思ってさ。」 「でも、なんでそんな前から知ってたんですか？」 「ボクは、本人に取材したから。レンくんが取材Ｏｋ出したから、聞いてみた。」 えぇ〜、そんなこと聞いてきたんだ。副部長も、スゴイわね。 「去年は副部長じゃなかったよ？ただの写真部の一員だったからなあ。だからいろいろ走り回って、いろんな写真かき集めて。でも一年のときはそれで良かったけど、二年になったら、その写真をもとに記事を書けるようになれって言われてさ。」 あー、それ、部長からも言われてたわね。遠い昔の記憶だったけど。 「だから、顧問からこの写真を見せられたとき、学校では秘密にするぞと言われたんだけど、ボクは写真の意義を知りたくてさ。それでレンくんに掛け合ったんだ。すぐに会って話ししてくれたよ。」 話ししてくれたんだ。レンくんもスゴイ…というか、何考えてるんだろ。 「本人は、撮られるのが好きだから、って言ってたけどな。他の知らない人が、僕を見て、エロいなとか抜けるとか思ってくれたら嬉しいって。ボクはそういうことを真顔で言ってくる人って、今まで居なかったからさぁ。ちょっと衝撃だったんだよね。養護するわけじゃないけど、一見フツーの男の子なのに、いろんな考えを持ってるもんなんだなぁって。」 副部長って、なかなか情報通でもあるし、寛容なところもあるのよね。だから信頼もあるし副部長にもなれたんだろうなあ。 「ヌード写真って、けっこう写真家の意図を画にすることがほとんどだから、だから写真家の名前が出てくる。今回は被写体が名前を出すパターンなんだよね。そうなると、『どういう意味でこの写真を撮った』かということが、写真家とは違ってくる。写真部は、風景画もイベント様子も撮ってるけど、そういうことも考えるようにならなきゃならないんだな。」 「レンくんの写真って、今までも、フツーに写真集に載せられるレベルの写真が主に出ていたんで、そこそこ業界を知ってる人だったりするんじゃないかしら。もしくは、センスがある人よね。」 「タンブラーだっけ？少し前に、エロ系画像動画は排除したもんだから、モロ出し画像はほとんど出てこなくなった、みたいだね。規制がかなり厳しい判断を取り入れたとは聞いてる。その分、出しても大丈夫な画像が出てこれるようになってるからかも。サイトの存続を考えると、やっぱりその方が良かったかもしれないな。個人的意見だけど。」 「写真部だと、この手のものも取り扱うから、たしかに注意はしなきゃならないわね。」 「基本的に、高校だったら裸はダメだよ。今のここだけで見てるだけだから、目を瞑ってるけど。」 「あー、すみません。」 「個人的レベルの範囲内だから、大丈夫でしょ？写真部の資料として持っておけばいいと、ボクは思います。」 「あ…、ありがとうございます。」 副部長公認という意味でとって良いということね。これで堂々と、持ち歩くことが出来るわ。やっぱり話ししておいて良かったわ。