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2月14日の二人

 駅のホーム。電車が来るのを待っていると、私の後ろに誰か並んだ。 「今日何日だっけ?」 「2月14日です」 「あー、……ありがと」  すっとぼけて聞いた方は、多分暗にチョコを催促しているのではないかと推測したが、答えた方は渡す気がまったくないのか、普通に受け答えしている。 (わかるわー)  心の中でうんうんと頷き、不自然に見えないように少しだけ背後に視線をやる。  制服を着た男子高校生が、スマホを片手に一人で突っ立っていた。 (え、誰と話してた?)  不思議に思っていると、男子高校生はまた話し出す。 「今日は何の日だっけ」 「今日2月14日はバレンタインデーです」 「詳しく」 「バレンタインデーまたは聖バレンタインデー・セイントバレンタインデーは…(略)」  淡々と男子高校生に答えていたのはスマホのAIだった。 「チョコくれる?」 「差し上げたいのはやまやまですが、私には出来かねます」  寂しいなおい。そう思ったが、私も人のことは全然言えないのだった。 ──────── #字書きがバレンタインのシチュエーションを妄想してみる 元ツイ https://twitter.com/kate2006/status/1360490170697437186?s=19

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