6 / 56
2-2
しばらく呆然としていたけれど、僕の中で、不思議な欲求がむくむくと湧き上がっていた。
「あの……、佑哉。佑哉のも、その、見たくて」
「え?」
佑哉は半笑いで聞き返したあと、僕の手を取った。
「ガチガチなの、触ります?」
「……わ、ほんとだ」
「先輩がイクの見て興奮したんですよ」
「み、見たい。佑哉の」
勝手にズボンに手をかけると、佑哉はあははと笑いながら僕の頭を軽くなでた。
「興味出ました?」
「……まあ、その、裸見てみたいとか……思うでしょ」
「え。何それ。なんかすごいうれしいです」
「別に、僕だって触ってみたいってだけだよ」
ズボンをずり下ろして見えた佑哉のそれは、僕のものより一回り大きくて、たくましかった。
ドキドキして、心臓がうるさい。
これを触ったら、佑哉はどうなるんだろう。
指の先でするすると裏筋をなでてみると、佑哉は息を詰めた。
感じてる……?
もうちょっと大胆にしごいたら、佑哉は眉間にしわを寄せて「やば」とつぶやいた。
「気持ちいい?」
「気持ちいいし、先輩がしてくれてるって思ったら、それだけでやばいです。……すぐイキそ」
先ほどしてくれたことの見よう見まねで、手早く上下する。
先端からこぼれそうな先走りがぷっくりとしてきて、チロっとなめてみたら、佑哉がうめいた。
「うぁ、先輩……っ」
ドキドキして、興奮して、許可も得ずにちゅうっと吸う。
止まらなくて、ぺろぺろなめたり、根元まで口に含んでみたり。
「あ、ほんと……せんぱい、ムリムリ、」
「んぐ」
「口離してください」
チラリと見上げた佑哉の表情は、焦り。
嫌がっているわけじゃなさそう。
ならばいいかと、僕はぼーっとした思考のまま、佑哉のものをなめ続けた。
「出る、出……っ」
口を離して手で強く上下したら、佑哉は小さくうめいてイッた。
精液が思い切り僕の顔にかかる。
「うわ、ちょっ、すいません……!」
外に聞こえるのではないかという勢いで、佑哉は大慌てしている。
けれど僕は、興奮を我慢するのに必死で、佑哉の謝罪はまるで耳に入っていない。
佑哉のそれが、僕の手の中で震えて、ドクドクと脈打った。
いつも余裕しゃくしゃくのかっこいい後輩が、僕に導かれて射精した。
知識も耐性もない僕にとっては、そんなことが、衝撃的に性的だった。
「目に入りそう」
佑哉が、心配そうな表情で、ウェットティッシュを持っている。
軽く目を閉じると、そっと顔を拭いてくれた。
「あの、フェラなんかさせちゃってごめんなさい。そこまでしてもらうつもりなくて」
「ううん。なんか……僕がしてみたかっただけだから」
途端、自分がとんでもない発言をしていると気づいて、サッと目をそらした。
顔が熱い。
佑哉は眉根を寄せて微笑み、耳たぶをふにふにと触ってきた。
「エッチな気持ちになっちゃいました?」
「うん。なんか、佑哉のそういうところ、想像つかないし」
「あはは。俺も先輩のそういうのまっっったく想像つかなかったから、意外です。結構積極的なんだなあとか」
佑哉のものをしごく自分の手を思い出した。
そして、また反応してしまう。
さりげなく体の向きを変えて見えないようにして、床に落ちた下着を拾った。
ともだちにシェアしよう!