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「ん、……っん」  上擦った声を我慢すべく、全力で枕に顔を押し付ける。  しかし佑哉は容赦なくて、最初からトップスピードで飛ばしてきた。  僕の体をがっちり捕まえて、息を弾ませながら腰を振る。 「先輩、中すごい。なんで?」 「……んっ……、はぁ……っ、んぅ」  我を忘れるとは、このことかも知れない。  僕も佑哉も、異常な興奮の中にいる。  絶対、あの甘いののせいだ。  思えば、最近の佑哉はちょっとおかしかった。  仕事から帰ってくるとやたらテンションが高くて、すぐに手を出してきたり。  もう無理だと訴えても、2回3回とイかせようとしてきたり。  仕事の日に限ってそう。  芸能人の間で流行るそんなものなんて、ひとつしか考えられない。 「……はぁ、っ、」 「ダメなことに片足突っ込んじゃったんだって、ほんとは分かってますよね」  イヤイヤと首を横に振るけど、佑哉は容赦なく、お腹の中に熱いものを打ち込んでくる。 「そういえば、月末にありましたね。全校生徒の前で、風紀委員長が話すやつ。警察の人が講演にきて……何するんだっけ」  ……ドラッグ撲滅の啓蒙(けいもう)だ。 「どれだけ危ないか、分かってよかったんじゃない?」 「んっ、ぁ」 「これ、うちの専属モデルはいっぱいもらえるから。またもらってくるね」  そんなのダメだと言おうとしたのに、またひとつ口に放り込まれて、吐き出せないように口をふさがれた。 「んーっ、んッ、ん」 「ほら、なめて。気持ちいい?」  ゾクゾクと、体の芯に熱が集まってくる。  ダメだと思うのと気持ちよさで、泣けてきた。  ボロボロと泣きながら錠剤をなめて、どんどん気持ちよくなって。 「ん……ッ、んんっ、んぅっ」 「イキそう?」  ガクガクとうなずくと、佑哉は唐突に、口を押さえていた手を離した。 「ぁ……ッ、ああっ、イッちゃぅ、やだ、ぁあっ」 「気持ちいい? 声出してもいいよ」  普段なら絶対そんなこと言わない。  佑哉もおかしくなってる。 「クスリやってセックスするとこうなっちゃうって、風紀委員長さん自ら、教えてあげたらいいと思いますよ」  僕はなけなしの理性で自分の腕を噛んだ。 「んんッ……、んんっ!……!…………ッ」  ビクビクと体を震わせながら、長く長く射精した。

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