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 ベッドの組み立てが終わり、作業の方々が帰っていったので、ようやくふたりきりになった。 「先輩、バレちゃいましたね」 「うん……」 「あ、でも心配しないでください。辰哉はあんなヘラヘラした感じですけど、口は堅いんで。約束は絶対守りますし」 「そこは心配してないよ。ただただ恥ずかしいだけ」  買ってきたばかりのシーツがピンと張られた、広いベッド。 「寮の狭いベッドでぎゅうぎゅうしながら寝るのも好きでしたけど、やっぱりエッチは広い方がしやすいですよね」 「……うん」 「それに、角部屋最高ですね。声気にしなくていいし」 「……そうだね」  早速誘われている。  恥ずかしく思いながらも、くいくいと佑哉の服の裾を引っ張った。 「いいよ、しよ」 「えへへ。先輩大好き」  キスしながら、お互いの服を脱がす。  隣の生活音も、廊下からの話し声も聞こえない、無音の部屋。  ふたりのちょっと弾んだ呼吸だけが響いて、いやが上にも期待してしまう。 「先輩、フェラしてくれる?」 「うん」  広いベッドに上がり、佑哉が壁に背中をくっつけて座ると、僕は割れた腹筋に舌を這わせた。 「ほんとはこういう風に、ゆっくりしたかったんだ」 「いつも急がないとでしたもんね」  限られた時間でも、佑哉は精一杯、丁寧にしてくれていたけれど。  でももう僕たちは、食堂やお風呂の時間も、門限も、何も気にしなくていいのだ。  おへその下、腰骨、太もも……と、決定的な場所には触れず、小さく口をつけていく。  固く反り上がったものから、先走りがにじんでいた。 「やば。これ、興奮します」 「もうなめて欲しい?」 「う……、はい」  佑哉はこらえるように長く息を吐いて、僕の髪に触れた。  僕は大きく口を開け、彼にしっかり見えるよう、ゆっくりとくわえた。 「……ぅあ、」  僕は根本を軽くしごきながら、じゅぷじゅぷと、くびれに沿って唇で愛撫する。  佑哉は僕の頭をなでながら言った。 「あの、俺も触りたいです。寝っ転がるんで、お尻こっちに向けてもらえませんか」 「んぅ? ……えっ、あっ」  何を言っているのか理解して、ぶわっと顔が熱くなる。  そうか、そうだよな。ベッドが広いから……。  佑哉は、ベッドサイドに置いた小さめの段ボールを開けた――要するに、そういうときに使うものがまとめて入っている。  佑哉はローションを取り、寝転んだ。  僕は死にそうに恥ずかしくなりながら、佑哉の顔をまたぐような格好で、再びペニスをくわえた。  予告なく、お尻に指が挿し込まれる。 「ん……っ、ん」 「すごい、ヒクヒクしてますよ」 「はぁ、……っん、ん」  中を探られて、気持ちいい。  口の中もパンパンで、ますます気持ちいい。 「んっ、はあ、んッ、ぁあっ」 「ここ、先輩が好きなところ。押していいですか?」  期待のあまり身をよじる。  応えるように、前立腺のところをトントンと刺激された。 「あぁッ、あんっ、あッ」 「可愛い。声、もっと聞きたいです」 「あ、あっ、あぁッ、き、きもちぃ、い、あっ」  夢中でしゃぶりながら、快感を受け止める。  ……いや、受け止めきれなくて、ただただ喘いでしまう。 「も、ぁ……、だめっ」 「イッちゃいそう?」 「んぅ……ちんちん欲しい」 「ふふ。かーわいい」  指が引き抜かれ、僕は脱力して、そのままへたりこむ。 「顔見てしたいです。寝っ転がってください」  ごろりと体を倒すと、ひざ立ちの佑哉がこちらを見下ろしていた。  濡れた瞳。ゾクゾクする。  大胆に足を持ち上げられたと思ったら、そのまま体重をかけて、中に入ってきた。 「あ……、ぁ」 「1回イッて?」  つぶやいた佑哉は、いきなりスピードをつけて、パンパンと肌を打ち付けてきた。 「あっ、やっ、んぁ……ッ、ダメ、だ、やだ、イッ……!……ッ……ぁああああっ!」 「……うわ、めちゃくちゃ締まる」 「ああ……ッ!」  精液を吐き出しながら、痙攣する。  ヒクつく僕の中を味わうように、佑哉はぬちぬちと音を立てながら、往復する。  イッたまま奥を突かれて、早くも頭がおかしくなりそう。 「あんっ、ゆ、ゆうやぁっ、」 「先輩ほら、なか気持ちいいの、ちゃんと感じてください」 「あぁっ、きもちぃ、佑哉のちんちん、きもちいい」 「こうしたらもっと気持ちいいですか」  指で両方の乳首をつままれ、嬌声が漏れる。  こりこりと擦ったり、爪で弾いたり、ゆっくりと乳頭を潰しながらこねたり。 「あ……ぅ、それも、気持ちいい」 「いっぱい言葉で教えてくれるの、可愛いです」 「あ、ンッ、ちくび、つまんで引っ張って……っ」  懇願すると、佑哉は乳首をぎゅうぎゅう引っ張りながら、腰を振った。 「気持ちいい?」 「ああっ、んっ……あッ、あぁ」  佑哉の呼吸もかなり乱れている。  何も気にしなくていいからと思うと、ふたりとも大胆に乱れている気がして、腰を振る佑哉も、いつもの3割増のがっつき方だ。 「あー……先輩、やばい。俺もイキたいです」 「あッ、や、だめっ、強くしないで……っ」 「もっかい。イけますよ」 「あンッ、あ……っ、も……、イク、イッちゃぅ!……ああぁああっ!……んぁあああッ……!……っ」  また熱い液がお腹に散る。  佑哉は僕の唇に噛みつきながら、ブルリと体を震わせて、果てた。

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