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 ベッドの端に並んで腰掛けると、佑哉は少し深刻な顔をして言った。 「学校でベタベタするのは、すいません。普通に話しかけたくなっちゃうだけなので、気をつけます。でも、さっき生徒会室のところに居たのは理由があります」 「……? 僕が会長と話してるって知ってて待ってたの?」 「はい。下駄箱のところで見かけて、ほんとは止めようと思ったんですけど、本当にその用件かも分かんないのでとりあえず待ってました。なんか不穏な感じだったら乱入しようかな、とか」  佑哉は僕の頬に手を伸ばし、親指でするするとなでた。 「話してたの、来年立候補しないかみたいな話ですよね?」 「え……っ? うん、そう。会長やらないかって」 「きょうの昼休み、笠原先輩に話しかけられたんです。で、『佐久間くん、最近、誰か3年と連絡取ってたりする?』って」 「あー……」  僕に直接聞く前に、唾をつけている人間の目星をつけようとしたというわけだ。 「じゃあ、階段で呼び止めたのは、それを忠告しようとしてくれたの?」 「そうなんですけど……でもまあそれは、いつもベタベタしようとする俺の日頃の行いが悪いせいなんで。気にしないでください」 「いやいや。せっかく僕のこと考えてくれたのに、全然話も聞かないで、ごめんね」  しょんぼりと肩を落とすと、佑哉は僕の頭をなでながら、なぜかそっぽを向いた。  そして、もごもごと何やら言いづらそうにためらったあと、ぼそっとつぶやいた。 「……生徒会室にふたりっきりなのは、ちょっとイラッとした」 「え? なに?」  聞き取りづらくて聞き返すと、佑哉はくるっとこっちを向いて、眉間にしわを寄せた。 「そりゃね、上級生に用があるって言われたら断れないでしょうけど。分かってますよ、分かってるんですけど。でも、一般生徒が入れない部屋でふたりっきりでって」 「やきもち焼いたの?」 「そうです」 「ぶっ」  すねる佑哉が可愛くて、両手で頬を挟んで笑った。 「何も起こるわけないでしょ。僕はあの人あんまり好きじゃないし、向こうだって良い印象ないと思うし」 「うー。嫉妬心に理屈は通用しないんです」  佑哉は僕の両手首を掴んで、そのままベッドに押し倒した。 「仲直りのキスがまだでした」 「ん……」 「本当にごめんね」 「ううん、僕の方こそ」  唇が優しく重なって、音も立てずに離れた。 「僕は……佑哉がいないとうまく生きられないんだなあってことがよく分かった」 「なんで? 寂しかったとか?」 「うん。嫌われたら立ち直れないなって思った」 「俺もですよ。花包んでもらいながら、『こんなもので物事が解決すると思ってるの?』とかいって突き返されたらどうしようかなと思って、そしたらなんか色々無理だなーと」 「ええ? そんな冷徹人間に見えてるの?」 「本気で怒ってたらありえる」  お互いクスクス笑いながら、キスを繰り返す。  徐々に熱っぽくなっていき、僕の呼吸も少し荒くなってきた。 「ん……、ふぅ、ん」 「もっとしてもいいですか?」 「うん」  舌が挿し込まれて、絡めると、くちゅくちゅと湿った音がする。  僕は夢中になって、佑哉のえり元を掴む。 「んっ、はあっ、は、」 「このままエッチしていい?」  こくこくとうなずくと、ネクタイがするりと抜かれ、カーディガンとワイシャツのボタンも全開になった。  佑哉が胸のあたりに口づける。  息を詰めると、佑哉は体のあちこちをなでながら、乳首を舌先でちろっとなめた。  体がピクッと跳ねる。  佑哉は口で乳首を刺激しながら、僕の服を脱がした。  既に固く立ち上がっているものを見て、佑哉はホッとしたように軽く微笑んだあと、ベッドサイドからローションを取り出した。 「先輩のことあんな風に泣かせちゃったの、最低だなって思って。なので、気持ちよくなって泣いてもらいたいです」 「ええ……? いや、泣かなくても」 「んーん、泣くほど気持ちよくしてあげる」  佑哉は両方の乳首にローションを垂らすと、滑る指先でいじくり始めた。 「あっ、あ……、ん、それやだ」 「気持ちよくない?」 「や、……ぁっ、はあっ」  違う。気持ちよすぎて、脳が焼き切れそう。  ぷちっと膨らんだ乳頭を、指先ですばやく擦られる。  ぬるつく快感が受け止めきれなくて、思わず背を反らした。 「ぁ、はぁっ、んぁ……っ、や、ぅ……」 「なに?」 「あぅ……、あ、あっ、だめ、……ぁあッ」 「ここだけでイけそう?」 「やだ、イッ、あぁ……ッ、」  こんなところだけでイクなんて恥ずかしすぎるのに、気持ちよくて、涙がにじむ。  佑哉は黙ったままつまんだり引っ掻いたりしていて、大したことをされていないはずなのに、限界が近づいてくる。  全身がこわばって、体が弓なりになった。 「ぬるぬる、気持ちいいね」 「……あ、イク、もぉ……ッ、あぁっ」 「いいよ」 「あんっ、だめ、イクッ……!ぁああっ……!……ッ、あぁ……っ!……ッ」  絶頂、なのに精液は出ない。  ビクビクと跳ねる僕に構わず、佑哉はしつこく乳首を擦り続ける。 「やだっ、イッた、イッたからぁっ」  僕が軽く暴れると、佑哉はようやく手を止めた……と同時に、ぬるぬるの手でお尻の穴の周りを触りはじめた。 「すごい、ひくひくしてる。でもちゃんとほぐさないと傷ついちゃいますから、ちょっと待ってくださいね」 「んぅ……」  シーツにしがみついて、耐える。  指が入ってくるだけで既に気持ちよくて、半泣きになりながら訴えた。 「……ん、んっ、佑哉、もぅいい、欲しい」 「だーめ」 「はぁっ、んぁ……っ、あんっ」 「ここ、気持ちいいところ」  一点を押されて、ビクンッと体が跳ねた。 「あぁっ」 「好き? ここ」 「んっ、すき……っ、すき、んぅ」 「可愛い。もう1本増やすね?」  中をまさぐられて、大仰に喘いでしまう。  佑哉の指は長くて綺麗だけど、そんなに細いものでは、熱くなった僕のお腹の中は満たせない。 「あんっ、……お願い、佑哉、もう挿れてっ」 「まだ痛いよ」 「いいからっ、佑哉ので奥開いて」 「やば」  佑哉はキスをしながらコンドームをはめた。  そして、僕の足を持ち上げながら、すうっと息を吸った。 「すっごいダメなこと言いますね。……これからド真面目な風紀委員長さんを犯すって考えると、めちゃめちゃ興奮します」 「言い方……」 「だって、間違ってないでしょ? 校則違反でエッチするんですから」  背徳感でゾクゾクする。  こんな、してはいけないことで興奮する日が来るなんて、思いもしなかった。

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