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会長様が好き。
そうでなくては親衛隊など入ってはいないし、隊長なんて職務にも就かない。
「隊長は本当に会長様が好きなのですか!?どうしてそんなに落ち着いているのです。僕は、僕はもう…。会長様はご自分から転校生にキスをして、僕達に絶対に見せないような顔で転校生に笑いかけたのです。悔しくて辛くて胸が張り裂けそうです。」
「副隊長、僕達の仕事はなんですか?嫉妬のあまり転校生を傷つけることですか?違いますよね。会長様のご意向に従うことこそ、僕達の存在意義なのです。会長様の気持ちを考えない親衛隊など潰れてしまいますよ。」
「でもっ、それではどうしたら…。」
その場にいる人間全てが涙を溢し始める。その場で実際に見ていた彼らと僕とじゃ感じ方は全く違うのだ。
収集もつかなくなってきた会議に一度締めることを決めた。
「会長様には僕からお話を聞きに行きます。もしも、会長様が本気で転校生を好きだとおっしゃれば…、僕らはそれを認めなければなりません。」
その一言はその場の空気をより一層重くした。
キス、なんてどうして会長様がしたのか分からない。
ただ、会長様がもしも万が一にも転校生を好きになったのならば認めなければならない。
それが僕ら親衛隊の運命…。
脳内で勝手に作られていく会長様と転校生のキスシーンを打ち消すように僕はその場から離れた。
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