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次の日。 なんとか学校に足を運んでも、浮かんでくるのはあのキスシーンで。授業に集中することは出来なかった。そんな僕に1人の風紀が尋ねてきた。 「会長の親衛隊隊長ですよね?僕は風紀の者です。風紀室について来てもらっていいですか?」 僕には風紀に呼ばれる理由が思いつかなかった。確かに無断欠席はしたが、それだけで呼ばれるとは思えない。 無断欠席なら当たり前のようにする生徒だっているし。 だとしたら、親衛隊のことだろうか…。 「親衛隊のことですか?」 「はい。昨日の放課後、君のところの副隊長が転校生に制裁を行っていることが判明しました。その聴取です。」 「副隊長が制裁…ですか?なぜ、そんな…。嘘です。最後に会ったときにはきちんと納得して…。」 「事実ですよ。しかし、その様子では本当に貴方は関係ないようですね。」 唇を噛む。 なぜ、気付いてあげられなかった。 今の会長なら副隊長を停学、最悪退学にする可能性がある。副隊長の悲痛な思いを聞いておいて止められなかった。これは僕の責任だ。 「先に入って下さい。」 風紀室前、ドアを開けたその先にいたのは風紀委員長と会長様、副隊長と転校生だった。転校生を抱き寄せている会長様を見てズキリと胸が痛む。 「失礼します。」 入ってすぐ気付いたのは会長様の怒り。重い空気に汗が滲む。副隊長はそれに耐えきれないのか涙を浮かべている。 「副隊長、大丈夫ですか。」 「隊長、隊長っ、ごめっんなさい。本当に、ごめんなさい。僕、もう我慢の限界だったんです。」 「副隊長…。」 泣き崩れる副隊長を抱きしめ、背中を叩く。悲痛な思いが全身から伝わってきた。 「悪いが、反省会なら後でやって貰えるか。すぐに処分を下したい。」 冷静に、淡々と、そして無情に風紀委員長は告げた。 会長様と同等の御家出身。 その一言は赤子さえ黙らす。副隊長もピタリと泣くのをやめた。

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