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11 【side アキ】

生徒会役員  アキ 生徒会に入って一年が経とうとしている。 面倒臭がりの自分が何故生徒会に所属しているのか未だに自分でも分からない。 ほぼ強制的で嫌々だった生徒会もやっと慣れ、仕事のサボり方も学んできたというのに、転校生のせいでそれも台無しだ。 「アキ、浩也達に仕事押し付けないでお前もしろよ。」 怒鳴りつける転校生を無視してパソコンを弄る。 そもそも、何故転校生がいる。 生徒会室は生徒会しか使用できないだろう。俺が生徒会を辞めないのは授業免除以外にもこの静かで広い空間を使えるからだ。 それを耳元で大声を出す幼稚な転校生に邪魔をされては意味がない。 「煩いな。俺の邪魔するなってこの前も言ったよね?俺はね、仕事を押し付けてなんかないから。」 バレない程度にサボり、バレない程度に自分の仕事を生徒会の役員に配布しているだけ。 押し付けてはない。 気付かない奴らが馬鹿なだけ。 キーキー言う転校生を無視して会長を睨みつける。連れてきたのは会長だ。会長がなんとかするべきだ。 なんて目で見ると、溜息を吐いた会長が転校生を引っ張り上げた。 会長は疲れている。 それは何となく分かる。 何故ってこの転校生の御守りをしているから。 …の他にも何故か仕事がいつもより進まない。量が多いってところか。 それもそうだ。 隠れて会長の仕事を健気にしていた親衛隊隊長がつい先日隊を脱退したのだから。 あれは学園中を驚かした。 特に会長の親衛隊達は急な隊長の脱退に纏まりがつかなくなったとか。 今では元隊長を隊に戻るよう説得に行く異例な状況にある。 俺はというと、元親衛隊隊長には仕事を代わりにしてもらっていたから酷く困った状況だ。それこそ疲労困憊。 だが会長の親衛隊を辞めたからこそ俺の元で親衛隊をやって貰えないかと密かに考えている。 が、彼は彼でお淑やかな性格と可愛らしい顔付きで生徒には人気がある。 逆に親衛隊を結成されそうな現状にあるだろう。 まぁ、彼の場合世話をしてもらうよりする方が好きだから結成は断るだろうな。 あーあっ、何とかしてこの鬱々な状況下から脱せないかな。 「おいっ、どこに行く気だ。」 「トイレだよ。」 立ち上がって生徒会室を出る。 トイレなんて行く気はないけど。 ここにいても面白くない。

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