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遊園地デート当日。
学園から出るバスには既に多くの生徒が乗り込んでいた。
今回、鬼役で30人捕まえた生徒数は4人。
逃げ役で最後まで捕まらなかったのは5人。
合計9人だったが、そのうち2人がデートを断り食券に走った。
恐らく生徒会に興味がないのか、または彼氏持ちだったからだろう。どちらにせよ、7人の生徒が集まった。
生徒会のメンバーは6人。
数的には合わないのだが、転校生のクラス委員長、小倉君は転校生に夢中な為、あまりデートと言った雰囲気でもないだろうと結局は合計13人で遊園地に行く事となった。
本当は誰とまわるかはくじで決めるらしいのだが、アキさんが裏で手を回したのか無事に僕とアキさんは2人で遊園地をまわれることになった。
「ねぇ、最初何に乗りたい?」
「アキさんに任せます。」
「それ、一番面倒くさいやつ。俺は何でも乗れるから好きなの乗りなよ。それに今日は一応デートって名目だしさ。」
「そうですか…。ではメリーゴーランドに乗ってみたいです。」
「まさかのメリーゴーランドか…。まぁ、いいか。」
音楽のなる方へアキさんの手を引っ張って走る。クルクルと回るメリーゴーランドは煌びやかで綺麗だ。仏頂面のままメリーゴーランドに乗るアキさんは少しおかしかったけれど。
その後はジェットコースターに空中ブランコ、バイキングにコーヒーカップ、ゴーカートなどいろんな乗り物に乗った。
遊園地はこんなにも楽しいのか。
終始笑ってつまらない時間なんてない。
テレビの向こうの住人がいつも遊園地で笑顔を浮かべていたのはこんなにも喜びに満ちるから。
ああ、でも、やっぱり会長と行けたら幸せだったんだろうな。
「ねぇ、隊長?お化け屋敷行かない?」
「お化け屋敷?ああ、あの古びたお城の…。いいですよ。さっきから僕が行きたいところばかり行ってましたし。」
「そう。良かった。」
アキさんは懐にしまっていた携帯を取り出し、何かを打つ動作をした。
「何かあったんですか?」
「いや、事務連絡。気にしないで?」
「…?そうですか。」
僕たちは遊園地の端にあるお化け屋敷に向かった。
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