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お化け屋敷の外観は古びたお城。 ドラキュラの絵が描かれている外観から、大人向けというより子供向けだろうと容易く想像がついた。 「隊長はお化け屋敷得意?」 「得意かどうかは行ったことがないので分からないですけど、暗い所はあまり好まないです。」 「そっか…ごめんね。」 「え?いえ、大丈夫ですよ?」 「うん。」 さっきから少し様子のおかしいアキさんに不思議に思いながらも僕はお化け屋敷に入った。 薄暗いお化け屋敷の中には棺桶や鎧、気味の悪い絵が飾ってある。冷気が漂い、よく出来ているお化け屋敷だった。 しかし、お化け屋敷の奥深くまで入った途端、急にバッと電気が消えた。何も見えない空間に恐怖が襲う。 「アキさん?どこですか?」 そう声を出した瞬間に扉が閉まる音が聞こえた。 何も見えない。 アキさんの気配もない。 ついさっきまでいたのに。 アキさんの名前を呼び続けても返事はない。 逸れたのか…。もしかしたらあの扉が閉まった原因はアキさんなのかもしれない。 電気が消えた事で急を要する何かが起こったのかも。 どちらにせよ、この部屋から出なければならない。これが演出なら電気がつくことはない。 僕はお化け屋敷から出る為に“出口”と書かれている標識に向かって歩いた。しかし、逆方向に進んでいたためか、誰かにぶつかってしまった。

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