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あの日から親衛隊の管理を徹底するようにした。 洋太郎以外にも浩也に関わっていた複数名の生徒が暴行にあっていたことが判明したことも大きい。 浩也は、親衛隊隊長に友人に対する暴行・暴言を一切行わせないと誓わせた。 これで少しは平和な日々が戻ってくるだろうと思っていた。 だが、そんな平和な日々は訪れることはなかった。 浩也は1年の後期から生徒会に入った。 それにより友人との付き合いが減り、洋太郎との交流も少なくなった。 だから、それを見つけたのはたまたまだった。 久々に時間が空き、たまには友人と過ごすのもいいだろうと洋太郎の教室に向かった時のこと。 「洋太郎、久々に一緒に帰ろ…。」 久々に見た洋太郎は、制服は汚れ、少し痩せていた。机の周りは、洋太郎のものであろう薄汚れた教科書が散らばっている。 洋太郎というもの、机を懸命に磨いていた。未だに見える机の落書き。 『死ね』『殺す』 そんな文字が書かれていたことは容易に理解できた。 「洋太郎!なんだよ、これ…。なんなんだよ!」 「浩也…。」 にひひと力なく笑う。 バレてしまった。 言い訳もこんな状況じゃ出来ない。 困ったように眉を寄せていた。 「誰だ。また、俺の親衛隊か。」 「大丈夫だ。小学生みたいな悪戯しかしてこないし。まったく気にしてねぇよ。」 「んなわけあるか!そんなに傷ついて…。許さねぇ、あいつら、絶対に…。」 「んなこと言うなよ。確かに一部はヤベェ奴らだけど、俺を助けてくれる親衛隊もいるしさ…。」 「関係ないだろ!」 「おいっ、どこ行くんだ。」 「うっせぇ。くそっ、タダじゃおかねぇ…。」 目の前の扉を叩き開く。 大股で歩く。 行き先は決まっている。 親衛隊が溜まっている教室だ。 「浩也、家に知られたら…。」 「関係ねぇ。俺は!大事な幼馴染を傷つけられて、黙ってられるタマじゃねぇ!」 「浩也…、わかった。俺も行く。だから、そんな慌てんな。」 「なんでお前も行くんだ。」 「なんでって、お前を止められるのは俺だけだし。何より、お前が殴る権利あるなら、俺にだってあんだろ。」 「洋太郎…。ああ、そうだな。そんなら、お前は一発な。俺は二発だから。」 「なんでだよ。普通は逆だろ。」 少しだけ怒りが収まったそのとき…。 階段。 何段もその階段は続いている。 洋太郎が真っ直ぐ前へと落ちていった。 手を伸ばした。 絡まることなく、音を立てて、 洋太郎は階段から落ちていった。 「よ、洋太郎ぉぉ!」 洋太郎の元へ駆け寄ったが、すでに洋太郎の意識はなかった。 その後、犯行を行ったのが親衛隊隊員であったことが判明。 犯行理由は、 『一条様に近寄る者は排除しなければならないから。』 そんな下らないものだった。

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