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6-1 教示
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ぱちん、と頬を手で挟まれ意識が戻ってくる。
「どうしたの。」
どのくらい経っていたのか、ぼんやりして、
いつの間に目の前に来ていたのかも分からない。
「いつまでそうしてるつもり?」
「……ぁ、」
「とりあえず、時間だし片付けるよ。」
世話係と言っていた人がテキパキとベットを整え換気し、近くにあった玩具を拾い袋へ入れていく。
「ソファも拭くから。どいて。」
「…ぁ、はい…っ」
毛布にくるまりながら慌てて立つと、ナカからどろ…と溢れてきてしまったモノをとっさに手で抑える。
べと、と手についたソレに、うぅ…とまた暗くなりかけていると、さっさと片した人がこちらへ来た。
「ほら、お風呂行くよ。…綺麗にしたげる。」
ふっ、と優しい笑みを浮かべて手を引かれ
おれはとことこ後ろをついて行った。
サァァァ…と柔らかいシャワーに包まれて、全身の汚いものが流れて行く。
髪にも付いていたのか梳くように撫でてくれた。
ナカも丁寧に洗ってくれ、ひとしきりシャワーが終わると部屋に戻り、狭い自室のベッドに腰掛けた。
「……で、どうしたの? 」
「………」
座るおれの前にかがんで目線を合わせてくれ、
「ん?」と促すように笑みを向けてくれる。
ライトでキラ…と光るその人の髪は艶やかで、長い睫毛も、白い肌も、同じ男とは思えなくて
ぼんやり、なんて綺麗な人だろうと思った。
「…なに考えてるの、」
くす、と頭を撫でられる。
そのまま頬へ手が降りて、するりと顎を掬うと
顔を寄せ、軽く食むようにキスをされた。
驚いて仰け反るおれの腰を抱き寄せて
もう一方の手を後頭部に優しく添えると、
キスはだんだん深く変化していって。
「………っん、…っ、ぁふ……ッ、んぅ…っ」
気持ちよすぎて夢中になって、くた…と腰が抜ける頃にはベッドに寝転んでしまった。
はぁ、はぁと肩で息をしながら口元の涎を拭う
「、何するんですか………っ」
困惑し、涙の溜まった目で見上げてみるけど
その人は悪びれた様子もなく、ぺろ…と口の周りを舐め妖艶に笑みを浮かべていて。
「 ……ねえ、いいコトしてあげる。」
そう言うと、する…とおれの鎖骨を撫でながら
もう一度、食べられそうなキスをした。
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