26 / 59

6-3

「気持ちいい?」 「ッ……へ、ぁ…っ」 「ま、これを見れば分かるけど。」 いっぱいいっぱいで応えられないおれに構わず、くすりと笑いながら、硬くなった自身を愉快そうに指で撫でる。 その人の唾液と自分の先走りが混ざってどろどろなソレは切なく震えていて、微かな刺激にもピリピリとした快感が全身へ走った。 「イきたい?腰揺らしちゃって、可愛いね。」 「っ……ぁ…ッ、」 「いいよ。好きな時にイきな。」 からかうように握ると赤い舌をソコヘ近づけ、 ン…と色っぽい吐息を漏らしながら口に含む。 首を傾げて咥えると、やわらかい頬の内側に擦りつけながらこちらを見つめられ、薄い頬越しに自身が分かるのは恥ずかしかった。 じゅぷじゅぷと音を立てながら頭を上下させ 舌を絡めて刺激して。 やがてゆっくり、根元まで全部が温かく包まれると 先端を喉奥できゅ、と締められ快感が襲った。 「…ッ…ンっ……ふ…、っ」 おれのものなんかを口いっぱいに咥えるその人の表情からはいつもの、凛とした美しさが消えて。 長い睫毛を濡らし、口元を雫で汚しながら、 とろんとした色っぽい表情をしていて… 「……っ、ま、て…だめ…っ!」 「ッン…!」 そんなカオを見た途端堪らずおれは達してしまって、情けなく腰を引きながらドクドクと精を吐き出す。 気持ちよくて、申し訳なくて。 放心しながらごめんなさい、と呟いた。 その人は眉根を寄せながら口内で受け止めると 出して硬さを失ったものから、口を離す。 白い喉がこくり、と上下しソレを飲み込んだ。 「…ん、…、ごちそうさま。」 口元に垂れた精液も指で掬うとちゅ、と吸い ぺろりと唇を舐める仕草は色気が溢れていて。 「前だけでも上手にイけたでしょう?」 「……」 「後ろを覚えると前だけではイケなくなるとか聞くけど、きみはまだ大丈夫だよ。あまり怯えないで。」 「……」 「今回はお客さんが優しかったから対応してくれたけど、普通そうもいかないんだからね?」 持っていたらしいウェットティッシュで手や口元を拭っていく仕草まで色っぽい姿をぼーっと見ていると、 むに、と頬をつままれた。 「…ちょっと、僕の話聞いてる?」 「……へ、…?」 「…なに間抜けな声出してるの。」 もう、ひとりで話してばかみたいでしょ…、と呆れたようにため息をつくと、 ぐしゃぐしゃと頭を撫でられた。

ともだちにシェアしよう!