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タツミさんに引っ張られ入った近くの部屋は、 大きなダンスホールみたいなところで。 壁一面が鏡になっていて余計に広く感じる部屋にはいくつものテーブルがあり、そのすべてに豪華な食べ物が並んでいた。 「今日立食パーティでさ。その給仕係頼むな」 「…っこのまま…?」 「ンな泣きそうな顔すんなって。じき慣れるよ」 ふる…と膝をすり合わせながら立つおれをあしらいながらタツミさんは仕事の説明を始める。 仕事は、会場の隅にあるお酒のスペースでタツミさんが作るお酒を、お盆にいくつか乗せお客さんに配るだけだって言われた。グラスが空かないように気を配って、会場中回るようにって。 仕事だからしっかりやれよ、なんて釘をさすなら ずっとぶるぶる震えるバイブを抜いてよ、と恨めしく思った。 ーーーー やがて時間になったのかお客さんが入ってくる。 仕方ないから言われた通りお酒を持ってあちこち回って、談笑しているおじさんたちにお酒を運ぶ。 お酒が溢れないようにばかり意識するとナカのバイブが稀にイイトコロを掠めて、その度に身体が火照って一瞬たじろいでしまう。 けど、タツミさんが言ってたようにズボン越しにもバイブがうっすら分かってしまうから、悟られないよう声を堪えて、平気なふりをして。 どんどん硬くなってとろとろに濡れていく前も バレたらどうしよう、とバクバクしながら働いた。 広い会場なのになぜか給仕はおれしかいなくて、お客さんのグラスが空にならないよう何周も会場を動き回っていると、 歩くたびグリグリと動くバイブの存在を意識してしまって、どんどん身体は昂り敏感になっていく。 空いたお盆にお酒を取りに戻ろうとしていたとき。 「ンンっ…!」 「失礼。ぶつかってしまったね。」 「ッ…ぃ、ぇ…っ」 お客さんがおれに気づかなかったのか後ろからぶつかられ、当たったおしりの玩具が深くハマった刺激に身体が跳ねる。 しかも咄嗟に退いたらゴリッとイイトコロに当たってしまったせいで、快感が身体を駆け巡って。 「…ッ…っ…ひ、ぅ…っンンぅ…!」 「ずいぶん顔色がよくないね。大丈夫かい?」 「ッ…ふ、ぁぃ……ッごめ、なさ…ぁ、」 顔を覗き込み心配してくれるおじさんに、声を堪えカクンと腰を折りながら必死に答える。 ぐちゅ…と濡れた下着からはイヤな感触がして。 ずっともどかしい刺激だったからか余計に快感を拾った身体は、一瞬しか得られなかった快感を求めるように疼きだし、より一層熱を持つ。 全身震えて、熱くて、視界がチカチカして、 少し達してしまったせいで甘く痺れた身体では 立っているのもやっとで、涙が滲んで。 でもここに長居するわけにもいかず、歩き出す。 もう周りなんて気にする余裕もなく、 ずっと内壁を刺激する玩具から解放されたくて、 は…っ、はぁ…と熱い吐息をもらしながら、 隅でお酒を作るタツミさんのもとへ足を進める。 一歩進むごとに動く玩具に嬲られ、 火照る身体を抱きながらよろよろと会場を歩いた。

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