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ーーー長い、時間が過ぎて。
「…はぁっ…。すっかり長居してしまったな。
そろそろ仕事に戻らなければ…。」
満足したらしいお客さん達は、
やましい事なんて何ひとつ起こってないみたいに、綺麗に身支度をして、部屋を後にして。
「これはチップの代わりだ、受け取りなさい」
最後の人は、財布から出したお金を投げ与えた
「……っ……、ぅ……」
ひらりと舞うお札は、動けず横たわるおれや、
体液でべたべたに汚れた床へ落ちていく。
「 じゃあね、お疲れ様。」
最後の一人も扉の向こうへ消えて、
お金と、行為の痕と、自分だけが取り残された
(…っやっと、終わった……、)
ぴく…と余韻で震える身体を動かす気力は出なくて
鏡に映る、汚れた自分から目を逸らす。
「…っ…はぁ、…」
疼く身体は熱を持ったまま、
呼吸に合わせ、おじさん達の欲だけが、
どろぉ…とナカから溢れていく。
「……、…つかれた…。」
ようやく静かになった部屋で、
冷たい床に横たわりながら、
眠るように意識を手放した。
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