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9-1 犬

ーーー 『 お前は今から俺の犬だ。 』 そう告げられたのは、わずか数分前のこと。 部屋に入るなり床に組み敷くと首輪を嵌め、 全裸にしたおれの手足は拘束された。 手足は完全に曲げ、伸ばせないようきつく留められ、 手首は首輪に繋ぎ、動かないよう固定され。 膝を曲げているせいで腰は反り、後孔が開く。 まるで動物みたいに、四つん這いでしか、歩けない。 「……っ、こんなの、…」 「 喋るな。」 恥ずかしさと恐怖で身を捩るおれを叱りつけ、きつく腰を抑えられる。 べったりと開脚させられ地面についた前が、 床でずりっと擦れ、思わず腰が反った。 「ッん…!」 「……この程度でも感じんのか。」 「…うぅっ、…ゃ、め…ッ…、」 「フッ…躾け甲斐のある淫乱だな。」 長い指を秘部へ挿入し、内部を確かめるように触れられる。その手が弱い部分を掠めただけでぞくりと跳ねる身体を嘲笑うと、指はすぐに引き抜かれた。 「太い方が好きだろ? ほら、呑み込めよ。」 「ッうぁ…!…っ…ぃ…たぃです…ッ、」 みちみちと肉を割り裂き挿れられる無機物は太くて、潤滑剤もないソレは乾いた痛みを呼ぶ。 でもお客さんはローションを垂らすこともなく奥に突き刺していき、せめて必死に身体の力を抜いた。 「っうぅ……っは、ァ…、はぁ……ッ、」 「全部入ったぞ。見ろ。」 「…っ……、…?」 命令され、床に押し付け痛みに耐えていた顔を上げて振り返ると ふわっとした 茶色い尻尾が生えていて。 こんな物を挿れられてたのかと一気に顔が熱くなる。 「よく似合ってるな。」 「…っゃ、です…、抜いて…っ、」 「口答えするな。喋るなとも言っただろう。」 同じ事を、何度も言わせるな。 冷たい目でそう言ったお客さんは、中のバイブをオンにした。 カチカチカチカチ、と、一気に強く。 「、ッひ、ぁァ"…っあ…ッ!」 深く貫かれた玩具は腰が反るせいでイイトコロにピンポイントで、強すぎる刺激を与える。 手も足も普段の半分の長さしかなくて、快感を逃そうと捩ってもうまく身体を動かせない。 あっけなくイッても振動が止まることはなくて その上ぐりぐりと容赦無くバイブを押さえつけられ、嬌声が止まらない。 チカチカ視界は明滅して、達したばかりの身体に与えられる刺激は拷問のようで、頭がへんになりそうだった。 「…ッんぅ"ぅ…ッめ、で…ッとめ"て…ッ!」 「ほら、犬はなんて鳴くんだ?」 「、ぁ"ぐ…っ、わ、ぁぶ…ッ…ゎ、ん"…ッ」 わん……わん…と頭を振り乱しながら鳴いて、 止まらない強烈な快感に何度も声を上げる。 一度や二度じゃ満足しないのか離してくれず、 この苛めから逃れたくて必死になって鳴いた。 「っゎ…ん"、!…わ"ぅ…っく、ぅン"ン…ッ」 「…それっぽくなったな。お似合いだ。」 涙と涎を垂れ流し頭が真っ白になる頃ようやく振動は止まり、ガクガクと全身を震わせながらべしゃりと地面に転がった。 「ひっ…ひ…ぐ……ッぐす…っは、…」 「玩具だけで随分と愉しめるんだな?」 「…っ、も、…ゃら……や"……ッ、」 「…そんなに欲しいならもう暫くくれてやる」 「ッ、待っ、、ひッ…あ"ッ、あ"ぁぁ…っ!」 カチカチカチ、とバイブを付ける音が聞こえて 強烈な刺激がさらに敏感になった身体を襲う。 全身に電気が流れるみたいに快感が走って 腰を反り、捩る手足を思い切り引き攣らせながら見たお客さんは、冷たい表情のままで。 おれが、喋ったから。 おれが、逆らったから。 この人の言うことに逆らってはいけない、と 身体と頭に強制的に叩き込まれるような 暴力的な快楽は、先程以上に長く続けられた。

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