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9-2
ーーカチ、とスイッチを切る音がして、
鳴り響いていた駆動音が消える。
びく、びく、と痙攣は止まらず、息も絶え絶えに床に潰れていると首輪を掴み顔を上げさせられた。
「反省したか? 」
「っ、……わ、ぅ…」
「それで良い。」
ニヤリと満足げなお客さんに心底安堵して、
恐怖に支配されていた鼓動が少し落ち着いていく。
首輪を放されると、いまだ震える身体はろくに力が入らず床に崩れた。
振動を止めてなお弱い部分を圧迫する玩具は、身体が動く度ずくんと快感を生んだ。
「おい、こっちに来い。」
「…っ…わん…」
気づけばお客さんは移動していて、
椅子に腰掛け、頬杖をついて待っている。
怒られないよう急いで向かおうとするけど、
肘と膝で四足歩行するのは、難しくて。
手足はぎちぎちに曲げられている分血が通いづらいのか、痺れて感覚も薄れてきていた。
揺れる尻尾に羞恥を煽られながら、達して甘く疼いたままの身体をよろよろと進める。
バランスが崩れ倒れても、這うようにしながら必死に距離を詰め、その人の足元に伏せた。
「遅い。」
鋭くなった声色に身体を萎縮させる。
ごめんなさいも言えないから謝るすべがなく、
顔も上げられず身を固くして構える。
でも叩かれたり玩具が動き出すことはなくて、
ーー咥えろ、と、ただ一言命令が下された。
言われた通りにしないと、と思考はすぐ働いて
ドクドクと早鐘を打つ重い身体を動かした。
ぐらつく上体を起こし、玩具を押さえないよう正座のように跪きながら、お客さんの膝の間に入る。
でもお客さんの衣服はそのままで、
ズボンを脱ごうとする気配もなくて。
固定された、自分の手も使えない。
どう、したら…
困惑して不安げに見上げると、イラついた様子のお客さんにジロリと見下ろされた。
「少しは考えろ。まだ足りないのか?」
「っ、……」
咄嗟に謝りかけた口を噤んで、
おそるおそるお客さんのソコに顔を寄せる。
( …おれが、脱がせないと…っ…はやく…)
そろっと舌を伸ばして金具を立てる。
それを歯で掴もうと、唇をズボンに押し付けた
ソコはお客さんの体温が篭っていて嫌だったけど、またこの人を怒らせるのが恐くて、
ただ無心に顔を押し付けた。
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