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温泉だ! ④

 怜が俺の中心を再びくわえこんだ。 「あっ、ああ……はぁん……」  前から、後ろから攻められて、もうおかしくなる。頭が沸騰して、何も考えられない。ただ、快感の渦に身体を委ねる。 「あ、や、もう出る……っ! 怜っ、はなして……」  上下する怜の頭を制止しようと手を伸ばすが力が入らない。怜は動きを止めず、俺を上目遣いにチラッと見た。 「ア、あん、やあぁ、ああ……っ!」  体の奥から襲ってくる刺激の波に飲まれ、背中を反らせてしまう。怜に自分から求める形になって羞恥心が増した。怜の舌が裏筋をなぞり、ぞくぞくと熱が這い上がってくる。 「あ、あぁっ!」  もう耐えきれず、怜の口の中に熱を放ってしまう。それを怜は俺と同じようにごくりと飲み込んだ。 「ちょ、怜……」  これ、やられた方はめちゃくちゃ恥ずかしい。 「えへへ〜、飲んじゃった」 「もう……」  ふかふかの布団に倒れ込む。 「透瑠、可愛かった」 「あーはいはい……」  なんか一気に緊張が解けた。一回出したから解放感もあるかもだけど。  怜が上からどさりと覆いかぶさってくる。成人男性一人分の体重はそれなりに重い。 「透瑠……好き……」  耳元でいい声がささやいてくる。 「はいはい……」  おざなりに返事すると、 「好きって言って」  強要することか? 「あーはいはい、アイシテル」 「心がこもってなーい!」  面倒な大人だな。――まったく。  またぷうっと頬を膨らませている綺麗な顔を両手で挟む。 「怜……世界で一番大好きだ」 「透瑠っ」  怜が唇をあわせてくる。自分の出したものなんて舐めたことなかったけど、確かに苦い。 「ん……」  舌を絡めて、ベトベトの口腔を舐め回す。唾液が溢れて顎を伝うのが分かった。  また、中心に熱が集まる。怜がさっきからずっと硬くて勃ち上ったままのものを俺の太腿に擦りつけてくる。  また長い指が奥へと入り込んできて、俺の感じるところを探し当てようと淫らに動き回る。 「あっ」 「ん……さっきのとこ発見」  指を増やされる。 「やぁ、んっ」  触れられてないのに、中心が勃ち上がって、怜の胸に当たった。怜の動きに刺激されて硬くなっていく。 「あー、もう駄目……」  怜が俺の乳首にチュッとキスしてから顔を上げた。 「怜……?」 「透瑠、もう我慢できない……挿れるね……」  そう切羽詰まった声で言い、怜がゴムを慣れた手つきで装着すると、俺の両膝を掴んで左右に広げた。  羞恥心と、いよいよ、という期待感とで心臓が激しく鼓動を打つ。  怜の張りつめたモノが孔にあてられた。ローションと溢れ出した蜜が流れてきてぐちゃぐちゃになった孔の周辺をグリグリ撫でたかと思うと、 「あ……!」  指とは全然違う圧迫感。 「はっ……透瑠……大丈夫……?」  切なげに眉を寄せて、怜が声をかけてくる。  正直、大丈夫じゃない。苦しい。身体を裂かれそうな痛み。でもそれより、怜と繋がってる喜びの方が大きい。 「大丈、夫……」  手を上げて、怜の髪をかきあげ、笑ってみせる。 「透瑠……っ」  ごめん、と囁くように言って、怜が身体を押し進めて来る。 「あ、はっ……!」  身体の奥で、怜を感じる。ドクドクと、別の生き物みたいに脈動が全身に響く。 「透瑠……動く、ね」  ぎゅっと瞑っていた目を少し開けて、こくりと頷く。その途端、怜が腰を動かしはじめた。 「あ、あ、あ、ひぁん……っ!」 「透瑠っ……あ、いい……すごい……っ」  体の奥に熱いものが侵入してくる。ずるりと引き抜かれ、また奥まで激しく突き上げられる。   怜の汗がぽたりと俺の頬に落ちてきた。いつもは子供みたいに無邪気にヘラヘラしてる顔が、今は……雄の、獣みたいになってる。凄みが増して、怖いくらいに綺麗だ。  怜の指が、俺の中心を握った。律動に合わせて、扱かれる。 「あ、あんっ、はぁ、怜……! あっ!?」  中で暴れている怜の先端が、俺の感じるところを抉った。 「あ、やだ、やぁんっ……そこ……っ」 「……気持ちいい?」 「う、ん……そこ……やだっ……ヘンになるっ……!」 「ヘンになって。俺もなってるから……透瑠が可愛すぎて」 「あ、怜、やぁ……!」  怜とひとつになってる。怜のこと好きになって、怜にも好きになってもらって。こんなに求められて。全身で怜を感じながら、俺は満ち足りた想いでいっぱいになった。 「怜……、あ、あぁんっ」  好き、と言いたいのに喘ぎ声しか出てこない。なので手を伸ばして、怜を求める。  怜の汗だくの額に触れ、頬を撫でる。怜は余裕のない顔からふ、と少しだけ微笑んだ。 「透瑠……愛してる」 「あ、俺もっ……あぁっ!」  怜が、俺の中に熱を放った。俺も同時に怜の手を白濁の液体でしとどに濡らした。  まだ俺の中でドクドクと鼓動している怜のものを感じる。  怜が荒い息を吐きながら、唇を寄せて来たので目を閉じる。 「ん……」  軽くキスを交わして、視線を合わせた。 「透瑠……ありがと……すごかった」 「……怜も、気持ちよかった?」  頬に頬を擦りつけてくる。 「うん……すごく」  怜のさらさらした髪を撫でる。怜も俺の髪に指を絡めて来る。  今なら素直に言える気がする。 「怜……俺、今すごく幸せ、かも」 「ホント? 俺も! 嬉しい……!」  さっきの獣はどこへいったのか。  まだ繋がったままで、苦しいくらいに抱きついてくる。俺も怜の背中に腕を回した。 「……誕生日おめでとう」 「ありがと」 「また一歩、三十路に近づいたな」 「うわあああ言わないで〜!」  Fin  ありがとうございました!

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