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第7話

「なんでそうなんの? ほんと田宮ってネガテイブ。でも、いつもの表情よりずっといいけど」 「どういうこと?」 「振り回されて本気になった」 「え……意味がわからない」 「そんな風に真顔で返されるとヘコむんだけど。好きって態度を隠され続けて俺の方が田宮の事好きになったって言ってんの」 「……」 「なんとか言えよ」 そんな事言われても、今は相沢が言った言葉すら理解するのが難しい。 好きになったって何? 相沢は誰にも本気にならないんだろ? 色んな事が頭をよぎり、それのどれにも頭がついていかない。 「ありえないよ」 「どうしたら信じてくれる?」 そんなのわからない。 「とりあえず田宮は風邪なんだから寝とけ」 腕を引かれベッドに誘導されると優しく頭を撫でられた。 「ちょっと出てくるから待ってて」 「え?」 「鍵は勝手に閉めて行くから貸して。田宮はそのまま寝てていいから」 相沢はテーブルに置いてあった鍵を勝手に持って行ってしまう。 「え、待って」 そしてそのまま相沢は出て行き、途端に静まり返る部屋にひとり、天井を見上げながら相沢とのやりとりを思い出していた。 でもやっぱり理解するのは難しく、その間に薬も効いてきたのか、目蓋が自然と重くなっていった。

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