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第3話 - ①
国晴くんの一日
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「ねぇねぇ、国晴くん。私のどこが好き?」
俺の腕に腕を絡め、甘い声を出してくる女の子
うわっめっちゃエエやんか〜
そうゆー質問してくるとこ自体が可愛ええなぁ
目もクリッとしてっとこも、サラッサラのキューティクル艶髪も触りたいしぃ
色白やし背小ぃさくて上目遣いもホンマええし
でも、1番好きなとこはやっぱ…
「オッパイやろ!!」
その直後
廊下に響き渡る程の、そして頬っぺたが真っ赤に染まるぐらいの
エゲツない強烈ビンタを貰ろうた
「くぅぅう、まだ痛い……」
なんやっ
ホンマの事言うただけやろーが!
オッパイよりお尻の方が正解か?
さっきまであんな好き好きオーラ出してたのに、手のひら返しよって
にしても、おもっきし叩かんでもええやろ!
なんで俺ばっか……
と、前方に良く知る後ろ姿
後ろ姿だけでも格闘技やスポーツをしてそうな今時の細マッチョ体格で、奴が歩くたび、周りにいる女の子たちが振り返る
その目はハートで……
(り、リア充させてたまるかい!)
「漢ぁんんんッ慰めてやぁああ」
「うッ、……痛ぇだろ、国?たくっ……今度は何したんだよ」
後ろから体当たりする様に抱きつこうが、良く出来た親友は怒りもせず、俺の腫れた頬っぺたを見てため息を吐くだけ
空木 漢というだけあってまさに名前通り男の中の男
右を見ても左を見ても可愛い子がぎょうさんおるのに、硬派な態度を貫く奴に女の子たちはなんでか知らんがキャ~キャ~言いおって
騙されておるわ!
合コンの人数合わせ兼、女の子呼び寄せるエサ
と思って俺の役にたって貰おうか
そう思って声を掛けたのが、漢とのファーストコンタクト
結局あの合コンは、漢の周りだけに女の子たちが集まりよって最後の最後まで最悪でオモロくも何ともないままやった
それからの付き合いだけど、何気に親切な漢のとこが居心地良くって、何かあるたび漢の側に居ることが多くなって……
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