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第12話

昼前に新倉さんから電話があって、14時から120分+90分。結局2本こなして帰ってくると、那月くんがキッチンで料理してた。 新倉さんはちょっとお喋りしてから帰っていって、俺らはキッチンで缶ビールをぶつけて乾杯。 労働の後のビールは最高だね。 「お仕事用の格好ですか?」 「まあね。ほぼ制服みたいなもんで、この組み合わせしか着てない」 そう言って笑うと那月くんも、ふふって笑った。 仕事の時は前空きがエロく見える気がして、ずーっとシャツを着てる。Tシャツをガバって脱ぐよりも、ボタン外して脱いだ方がエロくない? カラコン入れたり髪型をいつもと違くするのは、これから仕事だって自分にスイッチ入れるためでもあるけど。 お店の自分と普段の自分にギャップをつけておかないと、心が病んじゃうからね。 「来週、初出勤だね。緊張してる?」 「はい。上手くできるかどうか、、」 「結構長いことお店に来てくれてるお客さんでね、俺も知ってる人だよ。大丈夫。まあまあ良い人」 「まあまあって!でも、頑張ります」 那月くんは、スープ?みたいなのをコトコト煮込みながら挽き肉をこねてる。ハンバーグ? ほんとに料理が慣れてるみたいで手際が良い、見ていて気持ちよくなる手捌きだった。 あっと言う間にいい匂いがしてきてリビングのテーブルに並んだのはソースのかかったハンバーグとジャガイモのポタージュ、あとトマトとチーズのカプレーゼだった。 スーパーの安いやつですけどって白ワインを出してきた那月くんの頭を撫でて、食器棚からワイングラスを2つ取り出してテーブルに並べた。 「もう一回、かんぱーい」 「いただきまーす」 「美味しい!那月くんすごい!」 「良かったです。料理好きなので、また作ります」 ワインを一口飲んで料理を食べる。 どれも本当に美味しくて、特にハンバーグのソースはお店みたいな完璧な味で、でもどこか家庭ぽさもあって絶品だった。 「那月くんと一緒に居たら俺太っちゃうかも」 「ふふっ。じゃあ今度はタンパク質たくさん摂れるご飯作ります」 「那月くんも一緒にジム通う?」 「俺、運動は全然なんです。なので遠慮します」 「えー、楽しいのにぃ。ざんねん」 俺のグラスにワインを注いで、那月くんは生ハムの盛り合わせを出してきた。 おお、今日は飲む気だな。

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