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第17話
「つ、疲れた、、」
どうにかこうにか無事に終わった初出勤。
送迎の車の中でスタッフさんに頂いたお給料袋の中身にちょっとビビりながら、早く律さんに会いたくてそわそわしてる。
結論、最後まではしなかった。
新倉さんが言ってた通り、お客さんはこのお店の常連のオジサンで、こちらの緊張を解くようにいろいろお喋りをしてくれたり、ルームサービスでご飯を出してくれたり、穏やかに時間が過ぎてった。
最後の20分くらいで俺だけが裸になっていろいろ触られたり舐められたりして、那月くんがイけたら終わろうかって言われた数分後にはもう射精してしまった。
正直、触られてる最中は少しばかり嫌悪感があったし、律さんのこと考えたりして気を紛らわせたりしてたけど。
それでもそんなすぐ達しちゃう自分がちょっと心配になった。
そもそもセックスの経験がないのだから、平均が分からないけど、俺って結構早い方なのかな。
結局俺からお客さんにしてあげたことと言えば、唇を合わせるだけの軽いキスくらいだったのに、帰りはニコニコと見送ってくれて、あっという間に終わってしまった。
それでもお給料袋の中身はこの枚数。
恐ろしい世界だ。
「那月くん〜!おつかれさま!」
「わっ、律さん!酔っ払ってます?」
「んふふ〜。那月くんのことが心配で心配で、めっちゃ飲んじゃった」
玄関の前で鍵を探してたら、唐突にドアが開いてお酒臭い律さんがすごい勢いで抱きついてきた。
一瞬ふらつきながらも体勢を整えて部屋の中に入って、リビングのソファに律さんを座らせる。
テーブルの上にはワインやらチーズやら。
うわあ、これ全部飲んだの?
「初出勤、お疲れさま。痛くなかった?」
「あ、えっと、実は最後まではしてなくて、、」
「え〜!そうだったんだ!そっかあ、、じゃあちょっと微妙かなあ、、」
んんん、と分かりやすく頭を抱えてる律さんの隣に座って、何がですか?って促すと、なにやらとんでも無い事態になっていた。
「明日、3Pオプションの予約が入ってて、お客さんから相手は好きに決めていいよって言われたから那月くんにしちゃった」
えええええ。
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