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第187話
あの頃の気持ちに (ジュンヤ)
その40
可愛い羊
あなたの荒波は私も荒波
いつも一緒と……
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こんな弱って堪らない被虐を煽るジュンヤをまだ今夜はまだまだ楽しもうか。
心に暗い火が灯るのをどうやってジュンヤに伝えるか、考えるだけでゾクゾクする。
汚れきったシーツに丸裸の何も隠しもしない肢体を投げだす。俺は隅から隅まで余す事なく愛したその身体を眺めながら、一杯のバーボンをストレートで煽る。
夜は完全に空けている。
抱いても抱いても、腹の底から渇く熱の塊に翻弄される。
どうしちまったんだ?
自問しても答えは一つ……
俺はこいつを、愛してるんだ。
辿り着いた答えはなんとも陳腐で俺が離婚した後に遠ざけてきたものだった。
遠くから何故か
ボズ・スキャッグスの懐かし ローダウンが耳に届く。
この曲、別れた当初は毎日のように流していたな。
あの別れの日の前にベッドに入ってきたジュンヤを残して俺は別れを告げた。
あの事に一番堪えていたのは俺だったなんて。
大人として処理だけはしてやらなくちゃならない、
そんな風に思ったのを覚えている。
そのまま、必死で伏せている貌を上げさせて、噛み締めている唇を指で辿る。
あっ、という小さな囁きと共に空いたそこへ人差し指を入れ開かせて、
寄せた口で少年の溢れるような唾液を俺の舌ですすった。
濃い酒の残り香を嫌がったのか、細く跳ねるようにえずく口内に、深く舌を挿れ逃げる彼のそれを追いかけた。
その行為だけで濡れた下着を、もう片方の指で確かめた俺は、
下着ごと幼さのまだ残るペニスを緩く扱いた。
震える身体を抱きしめて、口と口はしっかりと舌で絡ませて、
先走りてグッショリのそれをリズムを付けて段々と強くしごいていくと、
唐突に強張った身体が弛緩して、
ジュンヤがいったことがわかった。
あの夜の行為に、
ジュンヤ本当の気持ちを伝えてきたあの頃の必死な姿。
振り切った俺にどんな傷ついたんだろう。
俺は酷い旦那で酷い男だった。
続けて飲み干す安物のバーボンに酩酊してくる。
こんな俺のために誰が用意しといたんたんだろ、こんな安い酒。
俺には似合いだ。
目の前の男にどんどん流れる気持ちに俺は。
ただ毛布のように覆ってよるを過ごしたい。それほど好きなのか、
答えはまだないが
こんなことはありえないよジュンヤ。
俺はあったかい淀みのなかで、眠りにつく。
こんなのは知らない。
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