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第189話
あの頃の気持ちに(ジュンヤ)
その42
「 僕はストーカーじゃないし、それに3人で一緒に住んでたんだよ、ニューヨークでは 、エドとジュンヤと僕とでさ 」
そうなのか?と目でジュンヤに尋ねると、途端にジュンヤはソッポを向いた。
「 前にも言ったけど、ジュンヤはセックスが大好きなんだよ、それも3人でやるのが最高だって、向こうじゃいつも3人でやってた、それが日本に行くから俺たちとは別れるって言い出したんだ」
「 何言ってんだよ、別れるのに同意したくせに勝手に転がり込んで来たんだろ 」
苦虫を潰したようにジュンヤが唸る。
「 それで、なんでそれが階段から突き落とされたりナイフを持ち出すことになったんだ?」
「 エドがアメリカからやってきて、熱出して寝込んでたジュンヤとやろうとしたから抵抗したジュンヤが外に飛びでたんだ、フラフラしてるから僕が階段迄追いかけて」
「 それでお前が押したんだよな、俺の身体を 」
「 違う!高い熱で朦朧として落ちそうになってたから支えようとしたら、エドに腕を引っ張られて間に合わなかったんだ 」
なんなんだこの話は、単なる痴話喧嘩か?
「 それならさっきのナイフはどうなんだ?」
「 風邪引いた後だからビタミン取らなきゃってりんごを剥いてたらジュンヤがシャワーから出てきて、帰れよって、もう用はないはずだって、
この間まで僕の作った物嬉しそうに食べてたのに、悔しくて……」
「 それでナイフをジュンヤに向けた?」
「 俺を刺す気だったんだろ 」
「 違う、絶対に違う、ちょっと頭にきて、脅かすつもりだったんだよ!
ジュンヤったら、あんたに会ってから余計に冷たくなって、もうここにも来るなって、俺もこの部屋引き払うからなんて、勝手なことばっかり……僕をエドと2人で男としかできない身体にしておいてさ 」
なんとも言えない酷い話だ。
ジュンヤは横を向いたまま膨れているし、潤の方は涙目になっている。
「 わかった。とにかく、3人の関係はわかったが、ジュンヤお前は?」
「 お前はって何……」
「 はっきりさせよう、させないといけない 」
「 そっか 」
急にこちらを向いて明るく答える。
潤が不安そうにジュンヤを見やった。
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