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第203話
あの頃の気持ちに(ジュンヤ)
その56
呼び出し音の間にざっとこれからの予定、するべきこと、方をつけなきゃならないことの時間軸を頭の中で建てると、出た相手に宣言した。
「 一年だ、一年の間に全部お前に引き継ぐぞ 」
「 何時だと思ってるんだ、このヤロー 」
唸るように返ってくる言葉。
「 悪いな、決めたんだ 」
ラインの向こうでため息をついたのが聞こえてくる。
「 おまえが居てくれて良かったよ。
今度こそ、
大切なものを逃がさない 」
「 そうか、俺にはまだ荷が重いんだけどな 」
「 バカ言ってんじゃない、お前の熱意でここまで持ってきたんだ。
これから先は菅山の方がずっと上手く持っていくよ 」
「 煽てられて木に登る歳じゃねぇよ 」
俺は明日も朝早いんだ、寝かせろと切られた通話。
濃いコーヒーを一杯淹れ早速プロジェクト管理を読み込むと、
来年の今日をエンドに組み直す。
明け方までには全ての予定を書き換えられるな。
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