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第15話

a memory from summer no.8 恋人編 その4 荻窪の和也さんのところで試着を終えて、ちょうど8時半に駅に着いた。 駅前って、とキョロキョロしていると、後ろから肩をタンっと叩かれた。 振り返ると 背広の上着を肩にかけ、 ワイシャツ姿の上背のある男の人がすっと立っていた。 割井さんだった……うわーカッコいい、ブルーのワイシャツが、こんなに似合う人って、そう言えば割井さんのスーツスタイル、初めて見た。 ネクタイも色の濃いブルー、小さくドットが入ってる。 思わず口を半開きで眺めていたようで、すこし眉をしかめた顔も更に上々。 夏らしくスーツの色は落ち着いた薄いグレーで、周りの女の人たちもチラチラ見ているのがわかる。 モテそう……声に出てたみたいだ。 そうか?と、一転、笑いながら隣に並んだ割井さん。 「 腹減ったな、ちょうど最近よく行く店がこの先にあるんだ、そこでいい? 」 やっぱり強引な人、僕の応える間も無く歩き出す。 あれ?この道、いつか来たような? この間通ったような、、と思っているうちに、 ここだと言われて あっ!この間安藤君なんかと来た パンケーキの店。 昔の蔵風の外観の二階建ての建物。 白い壁に下半分は海鼠の模様。 重そうな蔵戸は開いていて、中にもう1つ片引きの大きな硝子の框戸がある。 「 ここ、ここ 」

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