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第16話

a memory from summer no.9 恋人編 その5 「 ここ、ここ 」 タドタドと発した僕の言葉に 「 何?来たことある? 」 コクコクと頷く僕に、割井さんは 、 「 昼間はここカフェだろ? 夜はbarになるんだよ。 どっちに来たの? 」 「 パンケーキのモーニングに 」 「 朝からやってんのか~ 」 と言いながら、硝子戸を開けて入って行く。夜間接照明で、暗くしてある座席の奥から男の人が出て来た。 「 いらっしゃいませ、お二人ですか? 」 「 そう、2人 」 「 ああ、これは割井さん、今晩は 」 と低めの声で挨拶したのは、 髪の毛をオールバックに流した、 白いバーテンダーの上着を来た男の人。 グッと大人っぽくなった店内に、さざめくようなサックスの音が鳴っている。僕らが前に座った部屋のもっと奥にもう1つコーナーみたいなところがあって、そこでサックスを吹いている人がいた。 「 夜はLiveが入る日は、あの部屋開けるんだよ 」 と割井さんはよく知ってる風に教えてくれる。 夜は大人の来るところ、なんだな。 話をするからと、手前の部屋のカウンターに案内してもらった僕らは、早速飲み物と食べ物の注文をした。勿論、割井さんの主導で、本当にこの人は気が回せるというか、遠慮がないというか。ヒロシさんが振り回されるのがよくわかるような気がする。 オーダー終わったところで、 僕の方に眼差しを向けて、 「 さて、ヒロシは? 何か知ってる?なんで繋がんない……」 割井さんの目は、マジだ……

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